ファンを作りたいなら集客なんかに頭を使うな!!

nicccyの「経営論」

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

改めましてですが、僕はBAR屋(俗にいう『バーテンダー』)という仕事をしていましてですね、日々さまざまなお客様との出会い、そして別れを繰り返しながら生活をしております。また、ステキなバーの店長に抜擢され、感性豊かな愛するメンバーに囲まれ、ただただ楽しい毎日を過ごしています。

 

 

で、こんなキラキラした美談を僕はよく語ってるんですけど、もちろん「BAR屋」というお仕事、つまり「ビジネス」という側面で時にはケラケラ楽しんだり、逆に時には頭を悩ませたりもしています。

 

 

今回は、僕なりのビジネスのお話の回とします。テーマは、ファンを作りたいなら集客なんかに頭を使うな!!」です。

 

 

バーに限った話ではないと思いますが、お店を経営している人はたくさんのお客様が自分のお店に来てくれることを願っています。そして、お店のファンになってもらいたいと考えている。そのために「集客」についてめちゃくちゃ考えます。

 

 

さて、これってお店のファンを作るという目標にとって本当に正しいアプローチなのでしょうか?

ま、前置きはこの辺にして本編にいきまーす!!

 

 

ファンを作りたいなら集客なんかに頭を使うな!!

さっそくですが、みなさまはこんな光景を見たことがありますか?

 

 

駅前に新しくできた飲食店。オープンした直後は行列ができるほどの大人気店で、友達や職場の人との間でも話題になってたくらいです。

 

ですが、時は流れ、オープン直後の行列はなくなりました。むしろ、店員さんがビラを配り始めちゃったくらいの閑散模様。いつ外から覗いても店内はガラガラ。もうすぐ閉店しちゃうんじゃないかなって心配になってしまうほどです。。。

 

 

ちなみにこの話は、実際に僕が住んでいる街”札幌”で見かけた光景です。一瞬の話題性だけで終了してしまうお店は数えきれないくらい存在しているのが現実なんです。

 

 

では、なぜこのお店は、最初めちゃくちゃ行列ができていたにもかかわらず、徐々に閑散とし始めてしまったのでしょうか。

 

 

解答はたったひとつ。

 

 

「お店がお客様をファンにすることができなかったから」です。

 

 

「お店がお客様をファンにすることができなかったから」という解答をもう少しほぐしてみます。言い換えるとつまりは、「お客様の離脱率が異常に高かったから」です。

 

 

このお店はお客様を集めることには大成功しました。行列ができたくらいですからね、満点も満点な結果を叩き出したことになります。

 

 

でも、結果的には閑散としてしまった。つまり、「行ったことがある人が何度もお店に行かなかったから」にほかならないってことです。

 

 

たとえるなら、バケツに水を注ぐ時に、バケツに穴が開いていたらいくら水を注いでもまったく溜まりませんよね?穴からドバドバ流れちゃう。

 

 

「お客様を集めれば繁盛する」なんてめちゃくちゃ幻想。

「たくさんお客様が来てくれたら、そのうちの何割かはお店のことを気に入ってくれる」なんてのもめちゃくちゃ幻想。

しかも、いまはどこの飲食店に行っても味は美味しいし、どこもオシャレ。デパ地下の商品やコンビニの冷凍食品だって信じられないくらいに美味しい。つまり、商品のクオリティーにそこまで決定的な差がなくなっているのに、ただ一度勢いでバーっとお客様を集めた程度でずっと流行り続けることなんて不可能ってもんですよ

 

 

いちばん大切なのは「集客」なんかじゃない。

じゃあ何がいちばん大切だと思いますか?

 

 

そんなの一択。

いま、目の前にいるお客様を感動させることです。

いま、お店でお金を使ってくれているお客様を満足させることです。

いま、お店という空間の中に存在するお客様の心をワクワクさせることです。

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サービスの原点とでも言うんでしょうかね。お客様が「また来たい!!」って感じてくれなきゃ、商売なんて続くわけないじゃないですか。

「売り上げどうしよ・・・」って困った時に、「また広告出してたくさん人を呼べば大丈夫!!」って考えちゃう人は、この先地獄を見ることになるでしょう。だって、バケツの穴はずーっと開きっぱなしなんですから。

 

 

着目すべきは、「来てくださったお客様の離脱率」です。

「新しいお客様を呼ぶこと=集客」ばかりに着目するべきじゃないんです。

 

 

なにひとつ広告を出していなくても、いつも予約で満席のお店ってたくさんあります。口コミや紹介だけで成り立っちゃうっていう、完璧に近い経営状態です。この状態になれた理由は、「来てくださったお客様が何度も足を運んでくれているから」ですよね?つまり、「広告によって、新しいお客様を呼ぶ必要がない」ってことです。

 

 

「来てくださったお客様が何度も足を運んでくれているから」という理由の背景には数々の仕掛けがあります。美味しい商品、写真映えのする商品、「ステキなスタッフ」という名の商品、「ステキな空間」という名の商品などなど。すべてが小さく掛け算されて大きなインパクトになって初めて、「来てくださったお客様が何度も足を運んでくれているから」という理由が完成するわけです。

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「きょうは暇でした・・・」

「きょうは売り上げ悪かったです・・・」

「天気が悪かったからですかね・・・」

 

 

よく、飲食関係の方がすぐに口に出す言葉です。うーん、どれも無意味ですね。何にも解決しない乾いた溜息なのになー。

 

 

どれだけお店が空いてたって、

どれだけ売り上げが悪くたって、

どれだけ雨風が吹いていたって、

来てくださっているお客様の心に残る行動はできます。

もし、お客様がひとりもこなかったとしても、「よし!次の一手を考えよう!!」くらいのボーナスタイムだと思えば、次の日に来てくださったお客様をファンにすることができるかもしれないですよね?

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来てくださったお客様が、自分のお店から離脱する理由をひとつずつ消していく。

そして、この作業に終わりはないので、良い意味で生涯脳トレです。

 

 

おわり。

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yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。