愚痴を楽しく聞ける人だけができる仕事「バーテンダー」

nicccyの「BAR屋」論

こんばんは(*’▽’)、西舘です。

 

 

「バーテンダー」という仕事は、お酒の提供がメインだと思っている方が多い印象があります。たしかにバーなのでお酒(#ノンアルコールの方も最近は多いです)を楽しみにいらっしゃっていることは間違いありません。居酒屋さんでは出てこないもの、お酒のプロだからこそ提供できるレベルのドリンクがバーには無数に存在していますので。

 

 

ですが、バーに通ってくださるお客さまがバーに求めている本質的な要素は「会話」や「空間」「時間」です。特に「会話」の部分はバーの根幹を担っていると言っても過言ではないほどに大切。何気ないことから仕事やプライベートの深いところまで、幅広い内容で会話は進行していくものです。

 

 

そんな「会話」の中には、なにかしらに対する愚痴なんかも多いです。仕事のこと、恋愛のこと、その他ささいなこと。ネガティブに捉えてしまう方もいるかもしれないですけど、人はだれかに話を聞いてほしい日があるもの。そんな方にとってバーはオアシスであり、居場所であり、次の日の活力を手に入れることができる魔法の空間だったりします。

 

 

ということで今回は現役BAR屋の僕が、「愚痴を楽しく聞ける人だけができる仕事『バーテンダー』」というお話をさせていただきます。

 

 

お酒に詳しいことよりも、

流暢な会話ができることよりも、

話を聞く力がバーテンダーには必要不可欠ですっていうような内容です。では!!

 

 

愚痴を楽しく聞ける人だけができる仕事「バーテンダー」

だれかの愚痴は基本的に楽しい内容ではありません。ゲラゲラ笑える内容なことは少ないですし、どちらかと言えばテンションが下がってしまう(#話してる側も聞いてる側も)ことがほとんどです。しかも愚痴を聞く側は愚痴を話している方の生活を想像して、なるべく「そうですよね。。」「大変ですね。。」的な相槌ができるように努めます。

 

 

はい、「そんなことしたくない!!」「面倒くさい!!」って思う方、多いことでしょう。そりゃそうですよね、話を聞くだけでも体力を消耗したり頭が疲れたりするにもかかわらず、ましては愚痴だったらもっともっと疲れてしまいますよね。「俺だって言いたいことたくさんあるぜ!!」「ワタシだっていろいろあるんだからね!!」だなんて感じてしまったりもすることでしょう。

 

 

ただ、僕が長らくバーの世界に住むことができている最大の理由として、「人の愚痴を聞くことを”わりと”楽しめるタイプだから」かなーなんて自己分析をしています。

 

 

シンプルに自分以外の人の話にはエンタメ要素もあるし学びもあります。自分自身のことじゃないからこそ知らない感じ方や考え方がそこにはあって、それが愚痴って形で言葉になっているだけなのかなと。また、お客さまの愚痴に対して「わかるわー」って心から思うこともあれば、「へぇー全然そう思わないなー」って感じてしまうことも正直あります。そこはひとりひとりの捉え方も問題なので別に関係なくて(#わざわざ言わなければいいだけなので笑)、ただ”話を聞く”という行為そのものに僕は楽しさを感じることができる点は強みだなって。

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なので、「○○さんの話は長くておもしろくない!!」「○○さんの話は重たすぎて聞きたくない!!」みたいに感じてしまうタイプだと、バーテンダーとして長く働き続けていくことは強烈なストレスと背中合わせの状態です。だって、お客さまの愚痴を聞かない日なんてほとんどないので。つまり、「バーテンダーに向いてない」と思うわけです。

 

 

もちろん、僕だってお客さまの愚痴のパワーに屈して、テンションが下がったり元気がなくなることもあります。なので、「人の愚痴を聞くことを”わりと”楽しめるタイプだから」と先ほど述べました。はい、”わりと”です、すべてがすべて楽しめるわけじゃないんです。それでも、お客さまの話には前のめりになるほどに興味がありますし、この姿勢がたくさんのお客さまに囲まれた毎日を形成しているのではないかと思うわけです(#つまり、カクテルがどうとか、お店がどうとかが本質ではないってこと)。

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僕だって何かしらの愚痴を言いたい日もあります(#ほとんどないですけど、稀にはある)。そんな時はバーテンダーの先輩や人生の先輩(#お客さまがほとんど)に聞いていただいています。年上だからって理由はあまり好きじゃないんですけど、僕の周りにいる先輩たちはみんなカッコいいです。どっしり構えて僕の話に耳を傾けてくださります。はい、「僕もこうやって話を聞けばいいのか!!」と、今でも勉強になるなーなどと感じる日が多い。その学びはバーテンダーとしての僕に落とし込み、今日も明日もお客さまの愚痴を聞いて、少しでもスッキリした状態でお帰りいただけたらなと思う次第なわけです。

 

 

おわり。

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yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。