バーテンダーは地元の”宣伝担当”ですよって話

nicccyの「BAR屋」論

こんばんは、西舘です(*’▽’)。

 

 

今回はベタ打ちで僕の持論を述べさせてください。テーマは「バーテンダーは地元の”宣伝担当”」です。

 

 


僕は札幌市の中央区にて「BAR屋」をしています。そして僕は生粋の札幌生まれの札幌育ち。札幌を愛し、これからも札幌で尽力する所存であるうちのひとりです。

 

 

バーには、店を構えている市や街に住んでいないお客様もいらっしゃいます。たとえば、ご旅行の方や出張の方ですね。僕の場合は本州からいらっしゃったお客様。北海道は旅行で行きたい都道府県ランキングでいつも1位か2位のトップランナー。かなり楽しみに来てくださっていることでしょう。また、出張でいらっしゃる方もまた、できるだけ北海道を堪能したいという思いはあるはずです(←仕事でいらっしゃってるので観光とまでは行かないかもですが・・・)。

 

 

このようなお客様に対して、バーテンダーの振る舞いはダイレクトに地元の評価に繋がると僕は考えています。何気ない会話をする機会があり、ゆっくりと地元の話をできる機会があり、地元へ来てくださったことへの感謝を伝えることができる機会がある。そんな機会に恵まれたバーで出会う奇跡、そして、その奇跡は地元に還元できるチャンスなんです。つまり、「せっかくなら、地元のファン増やしましょうよ」ってことです。

 

 

僕のバーへいらっしゃる道外のお客様には、初めての北海道という方もいます。右も左もわからない、グーグルマップ片手に歩かないと迷子みたいな。そのようなお客様がいらっしゃった時、僕は「ようこそ札幌へ!!」と声を高らかに言い放っています。

 

 

知らない土地へ赴いたとき、その土地の方から歓迎されたら嬉しくないですか?しかも僕は地元の人間です、伝える意味&伝達力はシンプルに”×2倍”。僕も素直に札幌へ来てくださったことを嬉しく思うし、道外出身の方には全員”第二の故郷”にしてほしいんです、北海道を。

 

 

こう思えるようになったのも、僕が札幌以外の場所へ行った時に地元の方から歓迎された経験があり、それがなんだかとても嬉しかったからです。

 

 

東京へ行った時も「わざわざお越しいただいてありがとうございます!!」と言ってくださった方がいたり、大阪へ行った時も後日お手紙までくださった方がいたり。道内でも、旭川や北見に行った際に「わざわざありがとうございます!!」と言ってくださった方のことは今でも鮮明に覚えていますし、「あ、こんな嬉しい気持ちになるんだ、歓迎されるって最高!!」と思った夜はステキな思い出となって僕の心に刻まれています。

 

 

されて嬉しかったことはできる限り体現する。

たとえすべての方の心に響かなかったとしても、ひとりでも北海道のことを好きになってほしい。

北海道に来たことを「良かった」と思ってほしいし、「また来たい」と思ってほしい。

 

 

そう考えたら、バーテンダーってめちゃくちゃ地元のイメージを良くも悪くもできてしまうのではないかと。たとえるなら「夜の指揮者」とでも言いましょうか(←恰好付けすぎですか?良いんです、カッコよくいきましょ笑)。

 

 

嫌な出来事ってけっこう覚えてたりするじゃないですか。そして、いちばん重要なことなんですけど、可もなく不可もない、つまり「特に記憶に残るようなことがなかった」ことが僕に言わせればめちゃくちゃ重罪。お客様と絡むキッカケに溢れている飲食店においては致命傷であり、その傷はお店の未来、そして地元の未来を閉ざしてしまう可能性さえ大いに秘めています。

 

 

そうそう、もっとね、お客様と絡むべきなんですよ。何かのキッカケでせっかく北海道まで来てくれたんですよ?これも何かの縁でしょ?偶然だとしても、それを必然だったなんて言えるくらいの関係にした方が楽しくないですか?

 

 

そして、2006年からバーテンダーの道を歩んでいる僕の肌感では、良い印象が残るお店はわりと少ない。いいお店なんだけど、どこにでもありそうなお店。感じは良かったけど「また行きたい」とまでは思わないみたいな

 

 

いやー実にもったいない(*’▽’)。

地元、好きじゃないんですか?

地元、人気出てほしくないですか?

地元、潤ってほしくないですか?

 

 

たしかに、旅行でいらっしゃってるお客様や出張でいらっしゃってるお客様は毎日来てはくれません。常連様にもなりにくい。収益の面で見れば、そこまで歓迎する意味は見当たらないかもしれません。ただ、今目の前にお客様はいるわけで、それは事実でしかなくて、その時間をどこまで双方有益にするかどうかはめっちゃ大切なことだと僕は思います。

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どこで何が繋がるかはわからない。

目の前のお客様が自分の人生を大きく左右する可能性さえある。

大袈裟に感じるかもですが、そのような線を意識しながらお客様を見ることはプロとして当然なのではないでしょうか。

※やや話逸れました、ごめんなさい・・・。

 

 

バーテンダーは地元の”宣伝担当”です。

地元が活性化すれば、その地域は栄えます。

人口減少だとか言われていますが、だからこそできることはあるはず。バーにはそんな力があると僕は信じていますってこと。

 

 

おわり。

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yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。