「ステキなバーテンダーってどんな人?」→『たとえるなら、○○豆腐!!』

nicccyの「BAR屋」論

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

僕は「BAR屋(俗にいう『バーテンダー』のこと。僕が勝手に名付けました)」という仕事をしている人間なんですけど、よく考えることがあります。それは、「ステキなバーテンダーってどんな人のことを言うんだろう?」って。

 

 

カクテルを上手に作れる人?

ウイスキーに詳しい人?

トークが面白い人?

聞き上手な人?

 

 

どれもバーテンダーとしてステキな要素です。ですが、

 

 

カクテルが上手に作れるだけじゃ「ステキなバーテンダー」とは呼べない。

ウイスキーに詳しいだけじゃ「ステキなバーテンダー」とは呼べない。

トークが面白いだけじゃ「ステキなバーテンダー」とは呼べない。

聞き上手なだけじゃ「ステキなバーテンダー」とは呼べない。

 

 

じゃあステキなバーテンダーっていったいどんな人のことを指すのか。

僕は、先日おうちでまったりごはんを食べている時にその答えが偶然見つかりました。ティファールのフライパンの上でグツグツと香辛料の良い香りを漂わせながら僕に「これだ!」と気付かせてくれたんです。

 

 

 

「あ!ステキなバーテンダーって『麻婆豆腐』みたいな人のことだ!!(*^-^*)」

 

 

 

 

 

別に酔ってるわけじゃないですよ?笑いたって冷静に話をしています。

 

 

バーテンダーという仕事はですね、なにかひとつだけ特化した能力があれば務まる仕事じゃないんですよね。「英語が話せるだけ」「カクテルが作れるだけ」「お話ができるだけ」ではダメ。どれも少しは手を付けておいてほしいわけです、別にどれも完璧でなかったとしてもいいので。

 

 

で、「麻婆豆腐」を頭に浮かべてください。麻婆豆腐のおいしさってどんなところだと思いますか?

豆腐のうまみ?

豆板醤の辛み?

テンメンジャンの甘み?

煮込んだ汁のとろみ?

 

 

どれもこれも正解です。ただ、麻婆豆腐は、豆腐のうまみも、豆板醤の辛みも、テンメンジャンの甘みも、煮込んだ汁のとろみもぜーんぶひっくるめて「おいしい麻婆豆腐」に初めてなります。つまり「なにかひとつ材料が足りないだけで美味しさが激減する」ってことです。

 

 

あとは・・・

山椒が入っている時の旨味。

ショウガをすりおろした時の辛み。

さいごにごま油をさらっとかけた時の香ばしさ。

とか。

 

 

さ、あなたがもし麻婆豆腐をオーダーする時、なにか不足しても問題ない材料はありますか?

せっかくなら、すべて完璧に整った味付けで食べたいですよね?

てか、なにか味の核が欠けている麻婆豆腐なんて食べたくないですよね?

 

 

僕:「(なんか麻婆豆腐って打ち込みすぎて、あたま変な感じ・・・笑)」

 

 

バーテンダーも、「ステキですね!」と言われている人はみんな麻婆豆腐みたいに複雑な旨味が上手に絡み合っているんです

 

 

カクテルが作れて、ウイスキーを知っていて、トークができて、話を聞くことが好きで、笑いのツボが浅くて、気が利いて、目を配れて、優しい心を持っていて、行動力があって・・・みたいな人が「ステキなバーテンダー」の頂上に君臨してるんじゃないかなって思ったわけですよ。もし、これらバーテンダーに必要な要素がなにかひとつでも欠けてたら、きっとお客様に楽しい時間をお過ごしいただくことに関してなにかしらの支障が出る可能性が高い、僕はそう確信しています。

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話は変わりますが、僕には尊敬している師匠がいるんですけど、彼はカクテルもウイスキーも詳しいし、トークはキレキレ、話も聞いてくれるし、笑いに関しては天才だし、気は聞くし、目も配ってくれますし、めちゃんこ優しいし、起業したり出稼ぎに行ったりとさまざまな経験をしてきています。まさに「バーテンダー業界の『最高級麻婆豆腐』なんですよ。ま、師匠に「最高級麻婆豆腐ですね!」なんて言えませんけどね笑、ま、笑ってくれるとは思いますが弟子降格の危険性もありますので・・・(『どっかに頭打ったか?』とか言われそう笑)。

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おわり。

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yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。