昔、先輩に言われたカクテル作りにおけるひとつの極意

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nicccyの「BAR屋」論

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

BAR屋としてカクテルを美味しく作ることは当然のことです。ですが、「何が”美味しい”の基準になるんですか?」って話にも繋がってくるのも事実なんです。

 

 

甘い味が美味しいのか、甘くない味が美味しいのか、冷たいのが美味しいのか、歯に沁みない程度が美味しいのか・・・。

 

 

そこで僕が尊敬する師匠が約12年前にとある一言を僕に言ってくれたんです。その一言を今も僕は基準としてカクテル作りをしていますよって話です。

 

 

「バーテンダーとして成長したい!」

「たくさんのお客様から”美味しい!”って言われたい!」

「美味しいカクテルって何かを知りたい!」

 

 

そんな方がいたらぜひご参考にしていただけたら幸いです。では!

 

 

昔、先輩に言われたカクテル作りにおけるひとつの極意

その極意ですが、「3杯同じカクテルが飲めるように意識しよう!」という一言です。

 

 

これ、どういう意味かというと、

 

 

「たとえアルコール度数が高いカクテルであっても口あたりがさっぱりしていたりアルコールをあまり感じないように作ればいいですよ」ってことです。

 

 

たとえば、焼肉に行ったとします。そこで分厚くて濃厚な脂がのった牛肉がきたとします。

 

 

分厚い肉が大好き、脂ののった肉が大好き、牛肉が大好きであれば最高の商品ですよね。ですが、分厚い肉は苦手、脂はほどほどが良い、牛じゃなくて豚でも鶏でもいいって人からすればその肉は頑張って食べなきゃいけないレベルの肉、つまり苦行ってことになりますよね。

 

 

↑これ1枚を焼いて食べるのはよほど好きじゃないと無理ですよね。

 

 

ですが、もし薄くスライスした状態で提供されたり、付けタレが脂を緩和されるポン酢だったりしたらどうですか?

 

 

美味しく食べることができるように思いませんか?

 

 

↑これなら食べられますよね。つまり「食べやすい」ように工夫すればいいってことです。

 

 

カクテルにおいても俗にいう「マニュアル」的な作り方だと好き嫌いがハッキリと別れてしまいます。たとえ味が好きだったとしても強烈なアルコール度数を誇っていたり劇的に甘かったりすれば何杯も飲み進めることなんてよほどお酒が強い人だったりよほどの甘党じゃないとできないんです。

 

 

ではどうすれば美味しく3杯飲めるように作ることができるのか。

 

 

それが先ほども書きました「たとえアルコール度数が高いカクテルであっても口あたりがさっぱりしていたりアルコールをあまり感じないように作ればいいですよ」ってことです。

 

 

具体的に、アルコール度数の高いカクテルを例にしてみましょう。

 

 

とあるお客様に以前「ギムレット」というジンとライムのカクテルをお作りしたとします。ですがアルコール度数が高いため(約26度)に残されてしまいました。

 

 

「これはきついねー飲みきれないわ」

 

 

では、もしこのお客様にギムレットを飲みきってもらうにはどうすればいいか。何なら「美味しいね!もう1杯もらおうかな!」と言わせることができるか。

 

 

僕はいくつかの策を講じます。

 

 

・ジンの量を減らしてライムの量を増やす(アルコール度数を下げるため)

・氷を入れた「ロックスタイル」にて提供する(ゆっくり飲める仕様にするため)

・少しだけカルピスを加えて甘めに仕上げる(ライムとカルピスは相性がいい+甘めにして飲みやすくするため)

 

 

 

他にもいくつもの策はありますが、とりあえず3つだけ書きました。基本に忠実に作っていれば思い付かない策です。

 

 

ロックスタイルは先ほどの焼肉のたとえで言えば「薄く切って提供する」に似ていて、カルピスを加えるのは「ポン酢で食べる」に似ているかなと思います。

 

 

なかには「そんなのギムレットじゃない!」「別のカクテルじゃん!」って言ってくる方もいるでしょうけど、あくまで僕らは目の前のお客様にどうやって美味しくそのカクテルを口にしてもらうかどうかだけ考えていればいいんですよ。そのために多少の試行錯誤は当然の話で、そこに対して「ルールに準じろ!」なんて意見は謎だなって感じです。

関連記事:昔からあるカクテルなんて令和風にアレンジしてなんぼって話

 

 

まとめ

昔、先輩に言われたカクテル作りにおけるひとつの極意についてでした。

 

 

「3杯同じカクテルが飲めるように意識しよう!」という一言はとても素敵な考え方だなと今でも思います。

 

 

たとえお客様がアルコール度数の高い状態のカクテルがお好きだとしても、その度数を変えずに3杯飲めるようにさまざなアイディアを駆使することでその日は1杯だったとしても次回以降の来店における楽しみを感じてもらえたら最高ですよね。

 

 

ってことで、これからもたくさんのアイディアをお客様にお届けできたらと思います。

 

 

おわり。

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yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。