初来店のお客さまを自分のファンにするために気に掛けるべき3つのこと

「BAR屋」を育てるお話

こんばんは(*^_^*)、西舘です。

 

 

初めてお店へ来てくださったお客さま。僕はそんなお客さまと仲良くなりたいといつも思っています。せっかく知り合えたこの奇跡、みすみす手放したくなんてない。そして、数あるバーの中から僕のお店を選んでいただいたことは素直に嬉しいですし、お客さまにもステキなバー、ステキなバーテンダーだと思われたいので。

 

 

そこで僕は、初来店のお客さまへの対応で気に掛けていることがあります。常連さまや何度目かのご来店のお客さまとは少し違う、初めましてだからこそ気に掛けていることが・・・。

 

 

ということで今回は現役バーテンダーの僕が『初来店のお客さまを自分のファンにするために気に掛けている3つのこと』というお話をさせていただきます。

 

 

誰だってもしも自分のファンができたら、それはそれは嬉しいですよね??

だったらファン、増やしていきましょうよ。

 

 

僕は自分で言うのもおこがましい話ですけど、それなりにファンの方がいるのではないかと信じています。念願だった僕のバーを開業できたことはファンの方がいたからできたこと。僕ひとりじゃ到底叶うことはなかった夢。その夢を実現することができた理由のひとつが『初来店のお客さまをファンにするために3つのことを気に掛けていたから』なのかなと。

 

 

さっそく始めます、しばしお付き合いのほど。では!!

 

初来店のお客さまを自分のファンにするために気に掛けるべき3つのこと

 

 

 

1・最初は軽めにでもお声掛けすること

初来店されたお客さまは「どんなバーなんだろう」「どんなバーテンダーさんが働いているんだろう」という、期待と不安が入り混じった状態です。なので、軽めにでもお声掛けすることが絶対的に重要です。

 

 

では、具体的に「お声掛け」とは一体どのようなことを指すかを説明しますね。

 

 

「お声掛け」とは、「ささいな会話を始めるためのきっかけになる一言をお客さまに振ること」です。

 

 

お客さまに対して「いらっしゃいませ」は言うじゃないですか、誰だって。メニューがあるバーであれば「メニューです」くらいも言うじゃないですか。これらは「お声掛け」とは言いません、ただの「業務」です

 

 

・「初めてですよね?」(←初来店だと確信のある時)

・「こちらはよくいらっしゃっていましたか?」(←初来店かどうかわからない時)

・「ここはどちらでお知りになられたんですか?」(←初来店だとお聞きした時)

 

 

などなど、何かしらの会話が始まるきっかけになりそうな一言をバーテンダーから発信することが「お声掛け」です。決してお客さまから話しかけられることを待ってちゃダメです、こちらからお客さまの懐に積極果敢に飛び込む。これが自分のファン作りの第一歩となります。

関連記事:[気まずい?] バーテンダーが無口なのはあなたのせい!?

 

 

2・自分のことは積極的に話すこと

「バーテンダーはお客さまのお話を聞くことが仕事」なんてことがよく言われているんですけど、ただひたすらにお客さまのお話を聞く姿勢だけじゃそのお客さまはあなたのファンになってはくれません。自分自身のことも積極的にお客さまに話すことが心の距離を縮めるためには大切になってきます。

 

 

どうして自分のことは積極的に話すことがファン作りにとって大切なのか、その理由は「バーテンダーがどのような性格なのか、どのような人生を歩んできたのか、どのような空気感の人なのかをお客さまが知らなければ”ひとりのバーテンダー”という印象で終わってしまうから」です。

 

 

たとえば、親友のことを思い出してください。その親友、あなたの話をただひたすらに聞いてくれるから親友になりましたか?違いますよね?その親友の性格や考え方、一緒にいて過ごしやすいなどなど、さまざまな理由から親友になったはずです。

 

 

恋人だってそうですよね?あなたに従順だから付き合ってるわけじゃないですよね?恋人のさまざまな魅力に惹かれたからこそ興味が湧き、結果としてお付き合いする関係になったはずです。

 

 

つまり、「自分を開示しないと深い関係になんてなれない」ってことです。

 

 

ちなみに僕はサッカー好きということで仲良くなったお客さまがいますし、好きな音楽が一緒で仲良くなったお客さまもいます。好きなお酒が一緒だったり好きなお店が一緒で仲良くなったお客さまもいます。これは僕がお客さまに自分のことを包み隠さずに話してきたからこそ生まれた関係です。ささいなことでもいいので恥ずかしがらず、迷惑だと思わずにお客さまにあなた自身のことを語ってみましょう。

関連記事:お客様とは、一生のお付き合いができる関係になることを目指しているって話

 

 

3・会話は「する→しない→する→しない」の繰り返しを意識すること

自分のことは積極的に話すべきだと言いましたが、それだけじゃお客さまはファンにはなってくれません。初来店のお客さまをファンにするためには、お客さまと「(会話を)する→しない→する→しない・・・」の繰り返しを意識することがとても大切です。会話のバランスとでも言いましょうか、会話はどちらかに偏らないようにしていきましょう。これを意識せずに自分のことばかりを話してしまうと「自分語りの多い面倒なバーテンダー」だなんて思われてしまい、あなたの印象が逆に悪くなってしまう可能性さえ秘めています。

 

 

どうして「(会話を)する→しない→する→しない」の繰り返しが大切か。その理由は「ずっと会話をすることはお客さまが疲れてしまうから」です。

 

 

たとえば、ひとりで初来店したバーでずっとバーテンダーが会話を続けてきたらどう感じますか?たしかに楽しいかもしれないし、気を遣っていただいていることにありがたさを感じるかもしれません。でも・・・

 

 

少しはほっといてほしくないですか?

スマホ見たくないですか?

ボーっとしたくないですか?

 

 

つまり、「お客さまはバーで過ごす時間の中で”何もない余白”を欲している」ってことです。

 

 

いるんですよね、ずーっと付きっ切りで対応してくれるバーテンダーって・・・。

しかも聞いてもいないことを延々ベラベラと話してくる・・・。

 

 

確かにお客さまをほったらかしにすることはサービスとして良くないことだと思いますよ。ですが、構いすぎることもまた良くないこと。ガールズバーやニュークラ(←本州では「キャバクラ」と呼ばれる業界)だったらごく当たり前なことも、バーでは決して喜ばれないサービスだったりします。

 

 

会話は”あえて”切ることが大切です。

また、お客さまのターンを作ることも大切です。

行ったり来たりな会話の流れを自然に生み出せるバーテンダーにファンはできるものです。

関連記事:[どうしても?]バーってバーテンダーと会話をしなければいけない場所なのかについて

 

 

まとめ

「初来店のお客さまを自分のファンにするために気に掛けるべき3つのこと」というお話をさせていただきました。

 

 

 

 

 

バーテンダーはお酒に詳しくて、カクテルが作れればいいってわけじゃありません。それらの知識や技術をお客さまに対して生かすことで初めてバーテンダーになれるんです。つまり、「自分のファン作りは優先順位のかなり高い仕事」です。

 

 

土地がなければ家は建てられないのと一緒で、「お客さま=ファン」がいなければそこにお店もお酒も存在することができません。

 

 

未来のバーテンダーさんへこの意識が届けば嬉しいです。応援しています。

 

 

おわり。

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yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。