こんばんは(*^-^*)西舘です。
バーテンダーとして、「さまざまなお酒の美味しさをお客様へ伝えること」は大切なお仕事のひとつです。ですが、「これ、美味しいですよ!」「間違いないですよ!」とだけ言われてもどうにもこうにも説得力に欠けますよね。「何がオススメする理由なんですか?」「どう美味しいんですか?」ってお客様は思ってるはずですし、その心の中の疑問にしっかりと答えることがバーテンダーには求められるんです。
ということで今回は、現役BAR屋の僕が実際にお客様にお酒の美味しさを伝えたい際に行っている方法を3つご紹介します。では!
お客様にお酒の美味しさを上手に伝える3つの方法
①簡単な情報でバックグラウンドを意識していただく
さまざまなお酒にはさまざまなストーリーがあります。作り手の想い、素材や製法のこだわり、歴史などなど。そのストーリーを簡単に説明してあげると親近感が沸き、何も知らない時よりも興味を持っていただきやすいです。
話は逸れますが、僕の地元札幌にはジンギスカン屋をやるために羊の育成から開始したお店があります。どこよりも美味しく、そして希少な部位も提供したいという想いから始めたそうです。この話を聞くと「え?すごくない?」「こだわりがハンパないね!」「行ってみたい!」と思ってもらえる可能性って上がりますよね?何も知らずに適当に「ジンギスカン 札幌」で検索して出てきたお店よりもインパクトも強い。つまり、人はその商品よりもバックグラウンドに共鳴するんです。
お酒の数だけお酒の作り手がいます。
お酒の数だけお酒の作り方があります。
お酒の数だけ歴史があります。
なので、お客様の心にひっかかるような話を用意しておくことはお酒の美味しさを伝える上で重要な要素であると考えています。
②お客様の好みに合わせた提供方法をする
お酒にはさまざまな飲み方があります。作り手のオススメの飲み方、バーテンダーのオススメの飲み方、お客様の体調に合わせた飲み方などなど。そこで一番大切にすべきは「お客様の好みに合わせた提供方法をする」ことです。まずは飲んでみてもらって「飲める!」という段階までお客様を連れて行くことがバーテンダーには求められます。
たとえば、オススメのカシスリキュールがあるとします。カシスリキュールは基本的に結構甘いです。でもお客様は普段甘めのお酒が得意じゃないとのこと。でも、「せっかくなので飲んでみます!」ともしお客様がおっしゃったら頭をフル回転させてできるだけ甘さが出ない組み合わせを考えて提供します。甘さが一切ない炭酸水やジュースと組み合わせたり。
もうひとつ例を。3件目でいらっしゃったお客様がいるとします。結構な酔い具合、明日は朝から仕事とのこと。ここでオススメのウイスキーをオーダーされて「どう飲めば美味しいの?」と聞かれたら僕なら迷わずに「ハイボールが美味しいですよ!」と言います。たとえそのウイスキーの公式ホームページに記載されているオススメの飲み方がロックスタイルだったとしてもです。明日の体調に響いたら大変ですし、これ以上酔わせてしまったら申し訳ない。そしてたぶんそんな状態じゃロックスタイルでは飲みきれない、つまりいい思い出にはならないんです。
あくまでそのお酒を気に入ってもらうためです。そのお酒が主張することなんて一旦置いておいて構いません。大切なのは気に入ってもらうことです。もう一回オーダーしてもらうことです。
③類似品の紹介をする
これは直接的にオススメしたい商品の美味しさを伝えることは難しいですが、長い目で見ておいおい手を伸ばしてくれるようにしむける策です。
たとえば、オススメの日本酒があったとします。でもお客様は日本酒が大の苦手。「え?日本酒でしょ?むりむりー!」って感じです。
でも、「この日本酒は本当に出来がよくてぜひ飲んでもらいたい!」とバーテンダーは考えています。じゃあこんな時、どうすればこの日本酒をお客様の口まで運べるか。
僕はこのシチュエーションの場合だったら、清酒スパークリングを試してもらいますね。日本酒に炭酸を加えたものです。だいたいのメーカーは味を甘めに加工してあるため、日本酒特有の香りもさほどなく飲みやすいんです。つまり、「日本酒」というお酒の苦手意識の改善から着手するんです。
もし「清酒スパーリングなら飲める!」とお客様が言ってくださったらしめたものです。日本酒に対する苦手意識を少しだけ取り除けたわけですから。今後お客様が日本酒が美味しいと思える日が来るきっかけとなりえるかもしれません。「急がば回れ」です。
(※ちなみに僕は日本酒が苦手ですが、清酒スパーリングは美味しいと思います。そのおかげで普通の日本酒も飲めるようになりました。未だに好きではないですが笑)
まとめ
お客様にお酒の美味しさを上手に伝える3つの方法をご紹介しました。
お酒が苦手な方って体質的に合わない方ももちろんいるでしょうけど結構「食わず嫌い」な所があると思います。つまり、実際に口にしたことがない、ないしは一回しか、一種類しか口にしたことがないことが多いんです。
親が苦手だからという理由で「これは美味しくないんだ!」と信じ込んでいるものとかないですか?
子供の頃に大嫌いだったピーマンが大人になったらその苦みが美味しく感じるなんてことはよくある話ですよね?
お酒も似ていて、試しに飲んでみたら案外美味しく感じるものはあるかもしれないんです。そのきっかけを作るのもバーテンダーの仕事のひとつなのかなと。ぜひ参考にしてみてください。
おわり。
yuki_nicccy
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