毎日をどう過ごしてきたかがわかる瞬間ってあるよねって話

A picture of a hand reaching out towards the sunlight.
人生哲学的なやーつ

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

新型コロナウイルスの問題で多くのサービス業が窮地に追い込まれています。僕が働いているバーも状況は最悪に限りなく近く、いつも来てくださる常連様のご支援がなければ今頃は閉店してたかもというくらいです。

 

 

そして、一緒に働いてくれている心から愛するメンバーのみんなにも多大なるご迷惑をかけている現状。お店の責任者としてとても申し訳ない気持ちでいっぱいというのが本音です。

 

 

というのも、お客様がほとんどいらっしゃらない状況の中では人員を最小限まで減らした営業にシフトチェンジする必要があります。この流れは僕が働いているバーも同じで、アルバイトメンバーおよびピアニストの出勤回数を大幅縮小しました。

 

 

決して僕のせいで減らすわけじゃない。

そして誰のせいでもない。

でも決断して、通達して、みんなのリアクションのすべてを受け入れるのは僕。

 

 

シフトを変えて、みんなにLINEして、了承を得る作業はあまりにも苦痛で、そして「え?なんでですか?」みたいなリアクションが来ることも想定して対応を考えてると気が滅入りそうになってました。それでも伝えなきゃいけない。だから伝えました。体の中の血液が逆流してる感覚にさえなった瞬間。とことん人に嫌われることを怖がる性格は緊急事態の時にはとても邪魔だなと思いました。

 

 

でも、こんなにひとりで不安に感じてたことが無意味だったことを一日で知りました。

 

 

まずはピアニストさんたちひとりひとりにLINEをした数十分間。

 

 

僕:「営業中の演奏回数を大幅縮小することになりまして、大変申し訳ないのですが、今月のスケジュールは白紙にしていただくこととします。本当に申し訳ございません」

 

 

きっと返事は「え?」「どうして?」「いまさら?」みたいな感じかと思っていました。みんな優しくて気の良い方々ばかりなのはわかっていましたが、急な仕事のキャンセルは誰だって気分が良いものではないですからね。バッシング覚悟を決めた夕刻、皮肉にも空は晴れていました。

 

 

ですが、ピアニストさんたちからの返信はあまりにも優しかったんです。

 

 

 

「承知しました!仕方ないですよね!お体気を付けてください!」

「しょうがないです!何かあったらいつでも連絡してくださいね!」

「店長!お疲れじゃないですか?いつも本当にありがとうございます!」

 

 

あなたたちは神様なんですか?

それとも仏様なんですか?

いえいえ、ピアニストさんですよね?

 

 

ピアニスト以外のメンバーも、「しょうがないですよね!」「ぜんぜん大丈夫です!」なんて優しい言葉をかけてくれました。稼がなきゃいけない事情がある子もいるし、お小遣いがないとデートができない子だっているのに。他のバーではシフトの変更によって、店長とアルバイトメンバーとの間で亀裂が入っているという話も聞いたばかりだったので、ホントに救われた感じがします。

 

 

で、思ったわけですよ。こうやって「気にしてませんよ」みたいな優しい言葉をもらえるかどうかって毎日を自分自身がどう過ごしてきたかがわかる瞬間なんじゃないかなって。日々ちゃんとメンバーと真摯に向き合って、時には優しく、時にはちょっとだけ口を出すみたいな温厚な関係が築けているかどうか。たまには肩を並べて飲んだり、バカ話をしたり、お互い恥ずかしがらずにあれこれ相談できたりしているかどうか。つまるところ、「信用をどれだけ積み重ねてきたかの結果」かなと。

 

 

自分で言うのも大変おこがましいんですけど、僕と一緒に働いてきた数々の後輩たちは今でも僕が働いているバーに顔を出してくれます。プライベートで一緒に飲みに行く子もいるし、何かあればすぐに相談をしてくる子もいる。良い思い出がある職場だと感じているからこそこうして足を運んでくれたり話をしに来てくれたりすると思うんですよ。だから僕はきっとみんなに対してあたたかく接してきたのかなと自信を持てるわけです。ま、みんなが優しい子だってのは大大大前提として。

 

 

365日の中のたった1日。だけど大切な1日。この積み重ねでしかないんですよ、明日以降の未来に自分自身が過ごしやすい状況にいることができるかどうかって。もちろん時には暴飲暴食して後悔する朝だってあります。ずっとスマホを見続けて夜になって自己嫌悪に陥る日だってあります。それでも別に良いんです。欲求に身を任せた前日を翌日に取り返すために動くことさえできれば。そんな年月を僕は過ごしてきたなと振り返って感じる今日です。

 

 

今日も誰かのことを思って生きていきましょう。それだけで救われる瞬間が訪れるかもしれないので。

 

 

そして、ひとこと。

 

 

みんなありがとう。このご恩は死ぬまでに100倍にしてお返しすると約束します。

 

 

おわり。

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yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。