こんばんは(*’▽’)、西舘です。
失恋、それは辛い出来事。好きな人を失うことはあまりに重たい現実で、人によっては自暴自棄になったり体調を崩してしまうなんてこともあるでしょう。
そして、失恋の辛さを紛らわすために「浴びるようにお酒を飲む」「お酒に逃げる」なんて方も多いのではないでしょうか。さほど飲みたくもないお酒に手を伸ばし、とりあえず口にする。酔いが回っていくペースと共に、好きだった人への想いが吐露されていく。気付けば涙、そして号泣へ。
僕は長らく『BAR屋』を生業としてきましたが、実際に失恋してしまったお客様がお酒片手に号泣するシーン、あります。それはとても悲しい出来事があったお客様に寄り添う大事なシーン。何もしてあげられないけど、せめて話を聞き、具合が悪くならないようにお酒を提供する流れを考える。
僕にできることは何か。
僕がここにいる意味は何か。
人と人の繋がりが生命線であるバーらしい、そんなとある切ないお話を少しだけさせてください。
[涙枯れるまで・・] 失恋したらバーで号泣する子がいます
数年前、とある常連のお客様が打ちひしがれた様子でお店へ来ました。20代、女性、たくさんの常連様と仲が良い人気者の”Sちゃん”。でもその日は何やら表情が冴えない。「きっと何かあったな」と瞬時に気付きました。ですが、その気付きはひとまず置いておいて、何気ない感じで会話をスタートさせた僕。
僕:「こんばんは!!どっかで飲んでたの??」
Sちゃん:「はい、とりあえずウイスキーロックください・・・」
僕:「はい!!」
ひとまず、オーダーされたウイスキーをロックで提供。きっと、何かしらの話は僕が切り出す必要なんてないくらいにすぐに来るだろう。そう思った矢先、Sちゃんは突然涙を流し始めました。やはり何かあった、恋愛系??仕事系??
Sちゃん:「さっき、好きだった人に振られました・・・」
僕:「なんと・・・そっか・・・」
仲良しの人が悲しみに更けている時、僕は今でも声を掛けるべき言葉の答えを見つけ出せていません。その都度、その瞬間に答えではないではあろう答えを見つけ、言葉として発する。決して正解ではないその言葉、でも、それしか出ない。そしてきっと、僕の言葉なんてSちゃんからすればどうでもよくて、少し時間を置いたのち、失恋に至った経緯についての話が始まりました。僕はそれをただ聞いているだけ。そのうち、感傷的になってしまったSちゃんは泣き始めました。偶然にも、他のお客様がだれもいらっしゃらない状況だったことも、Sちゃんの涙腺を刺激した気がします。ただ、言うてもパブリックな場所である「バー」での一幕。さまざまな意見が飛び交う案件かなとは思います。
失恋したら、その時の気持ち、だれかに話したくなるものですよね。独りで抱えるにはあまりにもシンドイし、メンタルも崩壊気味になることもわかります。僕だって何度も失恋の憂いを経験してきたので。そんな時、「バー」がSちゃんの救いの場であったのなら、僕がSちゃんにとって大切な救いのピースであったのなら、それはとても嬉しいことです。素直に喜べる場面ではないですが、結局はだれかに頼られること、だれかのためにできることがあるという現実は、僕がステキな世界に生きていることを感じさせてくれます。
なので、失恋してしまった時は、信用しているバーテンダーがいるバーで話を聞いてもらいましょう。その時、感傷的になって泣いてしまっても問題ありません。むしろ人間らしさが滲み出てて、より深い関係が築けるのではないでしょうか。
おわり。
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yuki_nicccy
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