[え!?帰った!?]バーで本当にあった感動の誕生日の話

Beautiful young woman is looking at her boyfriend, drinking wine and smiling while they having a date in restaurant
「バーに行ってみたい!」ってちょっとでも思ったあなたへ

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

あなたは誕生日をその日初対面の見知らぬ誰かにお祝いしてもらったことがありますか?

 

 

家族、恋人、友人と共に過ごすことがほとんどでしょう。

 

 

で、バーには自分の誕生日の日にひとりでいらっしゃるお客様がたくさんいます。

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そして、今回は以前本当にあったとある女性のお客様の誕生日の時のお話です。僕たちも初対面だったその女性。偶然立ち寄ってくださった僕のバーで起こったドラマのようなストーリーをどうぞ。では!

 

 

[え!?帰った!?]バーで本当にあった感動の誕生日の話

その女性は推定30歳前後。はっきりは覚えてないんですけど、たしかビルの看板を見て来たとお話されていました。

 

 

僕:「よくバーには行かれるんですか?」

女性:「いえ、ほんと滅多に来ないんですけど今日はちょっと・・」

僕:「これからご予定がある感じですか?」

女性:「いえ、時間が空いたもので。あと、自分へのご褒美です」

僕:「ご褒美?何か終わった感じですか?」

女性:「あ、いえ、その、私、今日誕生日で・・」

僕:「そうでしたか!!おめでとうございます!」

 

 

てことで、女性が誕生日だということを教えてくれたんです。

 

 

ここから素敵なドラマが始まります。

 

 

その女性の3つ隣の席に座っていたひとりの男性。よくいらっしゃる紳士なお客様で、女性が誕生日だという話が聞こえていたようでその女性に話しかけたんです。

 

 

男性:「おめでとうございます!」

女性:「あ、ありがとうございます!」

男性:「せっかくなので僕から1杯ご馳走させていただいてもいいですか?」

女性:「え?いえいえ、悪いですよ・・」

男性:「お気遣いなく。ゆうき、何かお好きなものを作ってあげて!」

僕:「かしこまりました!」

 

 

男性は気の効いた素敵な提案をしてくださいました。女性は少し申し訳なさそうな表情を見せましたが内心喜んでいたことと思います。

 

 

僕はとあるカクテルを1杯お作りしました。それを女性へ渡すと男性と女性は乾杯をしました。

 

 

で、通常、こういった男性が女性に何か1杯ご馳走をした場合ってお互いが隣同士の席に移って会話をしたりするものなのです。「出会いの場」であるバーでは男性が女性に声を掛けるタイミングを計っていることなんて承知の事実。そして1杯ご馳走した時がそのベストタイミングです。

 

 

ですがその男性はそんな提案も動きも一切しませんでした。ただ誕生日だった女性をお祝いしたかっただけだったんです。お店も開店して間もない時間だったのでかなり空いている状況。距離を詰めるには最適な空間であったはずなのに。

 

 

そこから約30分くらい僕も交えた会話のラリーが続きました。楽しかったせいで時間はあっという間に過ぎていった記憶があります。

 

 

そして、女性がお手洗いに行かれたその時、男性はお会計をされました。

 

 

男性:「女性の分も一緒に(お会計)つけといて」

僕:「え?結構飲まれてますよ?」

男性:「あ、ぜんぜんいいよ!」

僕:「かしこまりました!」

 

 

指示された通りに女性の分も含めたお会計を男性に渡しました。

 

 

そして、男性は「じゃ!先帰るからおめでとうって改めて伝えておいて!」と足早にお帰りになったんです。

 

 

これ、めちゃくちゃイケメン行動じゃないですか?

 

 

だいたいこういった男性と女性の絡みがある時って男性が連絡先を聞いたり、もう1軒誘うとかしたりするものなんです。せっかくの出会いですし意気投合できたのなら至極当然の行動だと思います。

 

 

ですが、男性は女性に対して下心を1ミリも見せませんでした。もしかしたら好みじゃなかったのかなとかそういったレベルの話じゃない。ここまでスマートにこなせるのは今までこういった紳士な人生を送ってこられた何よりの証拠です。

 

 

女性がお手洗いから戻ってこられた時に僕はちゃんと預かった伝言を女性へお伝えしました。

 

 

僕:「先ほどの男性が改めて””おめでとう”って言ってましたよ!」

女性:「え!?先に帰られたんですか!?」

僕:「はい!」

女性:「え!?お礼も何も言ってないのに!」

 

 

ま、こういうリアクションになりますよね。ホントにびっくりされてましたから。こんな経験初めてだったんでしょう。てかこんな経験まずない笑。

 

 

そしたら女性が僕に話しかけてきたんです。

 

 

女性:「すいません。紙とペンを貸していただけますか?」

僕:「はい。何かメモでも?」

女性:「さっきの男性ってよくいらっしゃるんですよね?」

僕:「はい。毎週ってわけじゃないですけど」

女性:「お礼の手紙を置いていくので次いらっしゃったら渡しておいてもらってもいいですか?」

僕:「もちろんです!」

 

 

 

女性はぼちぼち長めの手紙をしたためました。内容は「最高の誕生日だったこと」「たくさんの感謝の言葉」そして「こんな素敵なバーに来れてホントに良かった」と。

 

 


 

 

たくさんのお客様の誕生日を僕は一緒に過ごさせていただいてきました。それだけでもハッピーな気持ちでいっぱいなのですが、ここまで恰好良く、そして感動的な場面はそうそうありません。

 

 

誕生日って誰かにお祝いしてもらいたいと思うものですよね。自分的には大した日じゃないって思っていてもいざ「おめでとう!」って言われたら嬉しいですから。

 

 

「バー×誕生日=感動」という方程式は揺るがないなっていつも思ってます。

 

 

おわり。

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yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。