不足金額をわざわざ払いに戻ってきてくれたお客様の話

「バーに行ってみたい!」ってちょっとでも思ったあなたへ

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

きょうは心がほっこりしたお話を少しだけさせてください。

 

 

みなさまは、もしどこかで食事をしたり飲みに行った時のお会計が間違ってたとしたらどうしますか??あ、間違ってたらっていうのは「え?高すぎじゃね??(訳:ぼったくり)」の方じゃなくて「え?絶対に安すぎだよね??(訳:会計ミス)」って方。

 

 

①店員さんに確認してもらう。「これ、お会計合ってますか??」と。

②「ラッキーじゃん!!」と思い、提示された金額を支払って帰る

 

 

 

ま、多くの方が②を選ぶことでしょう。ズルい気持ちで②を選ぶ方もいれば、「なんかのフェアーだったのかもね!」「タイムサービスでもあったのかな!」みたいな、お店側の操作による値引きだったと勝手に判断する方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

 

これからお話するのは、①でも②でもない、だからといって③っぽくもないお話しです。

 

 

それは、僕が働いているバーの系列店のお手伝いに行った時のこと。

 

 

とある男性のお客様がおひとりでいらっしゃいました。カウンターの角の席に座り、ウイスキーをロックで楽しまれていました。強めの視線でスマホをずっと眺めていたのでお声は掛けずに、ゆったりとした時間を過ごしていただくという判断をした僕。その時間、別でいらっしゃっていたお客様とお話をして過ごしました。

 

 

とある男性のお客様は約2時間ほどいらっしゃったでしょうか、その頃にお会計をされてお店をあとにされました。ちなみにお会計をしたのは僕じゃないもうひとりのメンバー。

 

 

とあるお客様がご退店されてからかれこれ3時間ほど経過した頃でしょうか。お店はそこそこの賑わいを見せていて、その流れが一瞬止まるかのような感覚を覚えました。そうです、さきほどのとある男性のお客様はさいどお店にいらっしゃったのです。

 

 

 

男性のお客様:「あの、さきほどまでここに座っていたものなのですが・・・」

僕:「はい、さきほどはありがとうございました!」

男性のお客様:「あの、さっきのお会計、間違ってると思うんですよね

僕:「お会計ですか?」

男性のお客様:「はい、わたくし、3杯いただいたのですが2杯分しかお支払いしてないと思うんです。ご確認いただけますでしょうか?」

僕:「はい!すぐに!!」

 

 

 

すぐに伝票を確認する僕。見つけた伝票には2杯だけオーダーされたお酒が書かれていました。ですが、たしか3杯頼まれていたはず・・・うん、2杯よりは3杯の方が現実味がある・・・。

 

 

つまり、お店側のミス。僕が確認しなかったことによるミス

 

 

僕:「はい、たしかに3杯召し上がってましたよね??申し訳ございません」

男性のお客様:「いえいえ、いつもお世話になっていますので1杯分いまお支払いしますね!

僕:「わざわざありがとうございます!!」

 

 

 

わざわざ足りてなかったと思われる金額を支払いに来てくれたんですよ。すごくないですか?知らないフリさえしておけば何事も起きずに今日という日が終わるにもかかわらず。きっとお客様の中では今日という日を終わらせることができなかったんでしょう、ホントにいいひと、いや、いいひとなんて言葉で片付けたらそれこそ失礼も失礼って話です。

 

 

そして、「いつもお世話になっていますので」だなんて・・・。心に刺さるキラーフレーズランキングで1位を争うほどに嬉しくて元気が湧くフレーズ。初めてお会いしたお客様でこんなにも紳士な言葉のチョイスと心あたためる温度で対応してくださった方はいなかったかもしれません。

 

 

やっぱり、「BARバー」ってステキな場所だ。

 

 

自分が大切だと思う場所では、その場所が喜ぶことを必ずしよう。そう思って生きてきましたけど、とある男性のお客様ほどの愛を持ってどこかのお店へ通ったことはなかったかもしれません。大切に思うだけだけじゃダメなんですよね、なにかしらのアクションがセットでなんぼなんだと改めて気付きました。

 

 

そしてなにより、お会計は慎重にします。お金のミスは多々トラブルのもとなので、ひどく反省。

 

 

おわり。

関連記事:バーテンダーは多くの人の誕生日を全力でお祝いする仕事

関連記事:お客様は「会えるサプリメント」

The following two tabs change content below.

yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。