お客様が心から「美味しい!」と思えるカクテルを作るためにバーテンダーが心掛けるべきたったひとつのこと

Young smiling bride showing heart gesture with hands standing at the beach
nicccyの「BAR屋」論

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

バーテンダーを生業なりわいとしている方はわかると思うんですけど、自分が作ったカクテルをお客様が「美味しい!」と言ってくださったらめちゃくちゃ嬉しいですよね。バーテンダー以外でたとえるなら、お笑い芸人さんは自分たちで作ったネタを見たお客様が「面白い!」と言ってくださったらめちゃくちゃ嬉しいでしょうし、歌手の方は自分の歌を聴いたお客様が「ステキ!」と言ってくださったらめちゃくちゃ嬉しいと思います。

 

 

で、このようにお客様からお褒めの言葉をいただくために何が必要かって話をさせていただきたいんですけど、僕の答えはバーテンダー人生14年の中で非常に明白に感じ、そして実証されてきたと自負しております。

 

 

お客様が心から「美味しい!」と思えるカクテルを作るためにバーテンダーが心掛けるべきことはたったひとつです。ではさっそく!

 

 

お客様が心から「美味しい!」と思えるカクテルを作るためにバーテンダーが心掛けるべきたったひとつのこと

結論から言いますと、「そのお客様からの信用度を上げること」です。

 

 

はい、カクテルの技術とか使用する材料の質とかじゃないんです。もちろん適当に作ったり腐った材料を使ったりしてはダメですよ。いちばん大切なことはあくまで「あなたが作ったものだったら安心!」「あなたの作ったものはどれも美味しい!」と思っていただける信用だって話です。

 

 

たとえば、めちゃくちゃ不愛想で清潔感のないバーテンダーが高級なイチゴをたくさん使ったカクテルを出してきたとします。そのカクテル自体はイチゴの味が際立っていて味覚的には美味しいかもしれません。でももう一回同じバーテンダーにカクテルを作ってもらたいと思いますか?嫌ですよね。

 

 

でも、おばあちゃんが作ってくれた煮物ってなんか美味しいですよね。別にプロみたいな味付けじゃないし、近くのスーパーで買ってきたお肉や野菜で作っているのに。これってなんでかって言うとおばあちゃんに絶大な信用があるからなんですよね。多少薄味でもなんかホッとするなって感じだし、使い古された傷だらけのお皿に盛りつけられたとしても気にならないんです。もしこれが適当に入った居酒屋で出てきたら「なにこれ?」ってなりますよね。つまり、おばあちゃん自体に信用があるから出てきたもの自体がどうこうって話ではないってことです。

 

 

バーテンダーもおばあちゃんのような絶大な信用をお客様から得ることができるように振舞わなければいけません。どんなにカクテルの技術が素晴らしくても、そんなに素晴らしい材料で最高級の商品を提供してもそれは技術や商品が評価されるだけでバーテンダー自身の評価ではないんですよ。

 

 

培った技術や提供した商品の評価が人間としての信用とは限らない。極端な話、めちゃくちゃ信用持ちのバーテンダーがジントニックとハイボールしか作れなかったとしてもそこにお客様は集まります。だってその人が作ってくれるなら何でもいいんですから、お客様からすれば。そのバーテンダーと一緒にいるだけで価値がある。その時間にお客様はお金を払う。

 

 

技術や商品はあくまでアクセサリーです。使いこなしたとしても人としての魅力がなければ宝の持ち腐れです。

 

 

おわり。

関連記事:バーテンダーは将来への信用貯金ができる仕事

関連記事:「信用貯金」は一生減らないしいつでも換金可能な資産ですよって話

The following two tabs change content below.

yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。