知り合いが来ても僕がお会計を安くしたりしない3つの理由

Waiter with credit card reader waiting for payment
nicccyの「BAR屋」論

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

先日こんな内容のことを書いたんで、今回は現役BAR屋である僕の考えを一筆します。

 

 

知り合いがバーを経営していたらその場のお会計は安くなるのか!?

 

 

 

知り合いが来ても僕がお会計を安くしたりしない3つの理由

タイトル通りなんですけど、僕は知り合いが来ても家族がお会計を安くすることはしません。家族、友達、恋人(←募集中)関係なく。それにはちゃんとした理由があります。

 

 

 

 

 

①価格に見合った商品を提供している自負があるから

自分の今までの知識、技術を駆使した商品はちゃんとした価格で購入して欲しいって思うんです。だって適当に作ってないんですよ?適当に作ってたら「別に100円でもいっか!」ってなるかもしれませんけど、価格に見合った形で提供しているのでそれ相応の対価は知り合いであろうが誰であろうがいただきたいです。

 

 

たとえば、あなたが自分の時間と技術を駆使して作った素敵なマンションがあったとします。そのマンション、知り合いに欲しいって言われて「いいよ!金額?気持ちだけちょうだい!」なんて言いますか?言いませんよね。せっかくの自分の子供のような作品なんです。そこはあくまでプロとしてしっかりお会計はいただくべきです。

 

 

②「バー」という空間の認識を深めてもらいたいから

「バー」はお世辞にも決して激安でお酒が飲める業態ではありません。一杯1000円なんて普通。ちょっとバイト代が入ったくらいの学生さんじゃしょっちゅうなんて行けないわけですよ。

 

 

つまり、「バーはそれ相応のお金がないと行けない」という認識を深めてもらいたいって意図があります。

 

 

僕の場合、最初の頃は学生時代の友達が「やっぱ高いね!」って感想を残して帰っていった経験が多々あります。中には「もっと安くなるなら会社の宴会で使ってあげるけどどう?」なんて連絡をしてくる奴もいました。

 

 

残念ながらそのような交渉はシャットダウンです。あくまで「バー」としての空間を守る義務がバーテンダーにはありますし、安く飲めるお店は星の数ほどあるのでバーが無理して寄せる必要もないと思うので。

 

 

③「自分ならちゃんと払うのにな・・」って考えがあるから

こんなこと言っておいてなんですが、僕も今まで知り合いのバーにお邪魔した時にお会計を安くしてもらった経験がたくさんあります。

関連記事:先輩たちがお会計を安くしてくれたから当時の自分はたくさんお酒を飲むことができたって話

 

 

ですが、はじめっから真っ当に支払う気がないわけじゃないんです。ちゃんと商品とサービスには対価を払いたい。その気持ちは大いに持ち合わせていました。

 

 

多くの人は「安いに越したことはない」って考えがあります。スーパーで買い物をするにも、ガソリンを入れるにしても安い方が良いに決まってますよね。

 

 

ただ、バーを中心とした「マンパワーが大きく来店に関係している飲食店」には「ここでお金を使うために仕事をしている!」「あなたにお金を払いたい!」って人がいるんです。そして僕がその筆頭株。

 

 

そのような考えの人のお会計を安くする行為ってどう思いますか?

 

 

「自分ならちゃんと払うのにな・・」

「どうして安くしちゃうんだろう・・」

 

 

って逆に信用を失う可能性だってありますよね。

 

 

知り合いの中には「安くしてくれるんじゃないかな・・」なんて考えて来てくれている人もいるかもしれません。その方には申し訳ないなとは思います。ですが、もし「ちゃんと払うよ!」って考えの人のお会計を安くする行為は失礼にあたります。実際に「俺はお金を使いに来ているんだよ!」って公言してくださるお客様もいます。なのでしっかりお会計は真っ当にいただくようにしています。

 

 

まとめ

知り合いが来ても僕はお会計を安くしたりしない3つの理由についてお話させていただきました。

 

 

 

あ、ひとつだけ。

 

 

はお会計を安くはしないですけど、業界の後輩や若いお客様には少しだけサービスはしますよ。たとえば、通常の量より少し多めに注ぐとか。

(「それって結局値引きじゃん!」って意見は受け付けません笑。僕の言う「安くする」っていうのは「商品の代金を根本から値引きする行為」という認識なので。たとえば、1000円のカクテルを500円にするとか

 

 

知り合いのお会計を安くしないってことは、つまるところお会計が高いって思わせないサービスと商品力を自らが身に付ける覚悟を持つことに繋がっています。適当な仕事ができない環境をあえて作っているんです。なんてね。

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yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。