[コロナ不況の今]自分の脳内を後輩に全公開してファンにするチャンスですよって話

Human brain in x-ray view
nicccyの「BAR屋」論

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

遂に国家として緊急事態宣言が出るほどの問題となった「新型コロナウイルス」。夜の街はコロナウイルスへの感染拡大を阻止するための市民の自粛によって閑散。すでに倒産してしまった企業もあるほどの大打撃を受けております。もちろん、僕が働いている「バー業界」も同じく、今までに経験したことのない売り上げの低迷に喘いでいます。

 

 

ですが、お店は営業しています。バーも居酒屋もカフェもキャバクラも。日本は「はい!バーは危険な場所なので営業停止にしてください!」みたいな命令を法律上出すことができないらしく、だったらひとりでもお客様がいらっしゃる可能性があるのならお店は開けましょうって話になるわけで。自粛の流れに乗っかって自主閉店できるお店なんて超巨大企業が経営しているお店くらいなもんですからね、そしてそんなお店はほとんどない。善意で閉店したらどこも倒産するのをただ待つだけなので。結果、街は何事も起こっていないかのようなネオンの光に染まっています。違和感なのはその街を利用する人がぜんぜんいないことだけ。

 

 

って今回の話なんですけど(前振りが長引いてしまいました・・)、お店を開けているってことは当然働いている人がそこにはいますよね?でもお客様はぜんぜんいらっしゃらない、つまり、「いつものような仕事中の時間の流れにはなっていない」ということです。で、この状況を簡潔に言うとですね、「みんなやることがなくて暇を持て余している」感じです。街が閑散とし始めて早一ヶ月。その間になかなか手に付かなかった箇所の清掃なんかはしたと思うんですよね、どこの飲食店も。でも、どんなになかなか手に付かなかった箇所を清掃するって言ったって一ヶ月もあれば終わってしまっていると思うんです。そしていよいよ「何やろうかね・・」みたいな空気が生まれて二週間くらいが経過したのが今かなと予想しております。

 

 

こういう時期こそ、経営陣のトップやお店の店長クラスが何かやることを考えないと他のスタッフは暇疲れをしてしまってモチベーションに影響が出る可能性が高くなることは容易に想像できて、じゃあ経営陣のトップやお店の店長クラスは何をやるべきか。それは「自分の脳内を後輩に全公開してファンにすること」です。

 

 

後輩たちは手を動かすことや足を動かすことがなくて暇をしています。じゃあいったい後輩たちは何を動かせばいいのか。それは「頭を心を動かす」しかないんですよ。他に動かせる場所なんてないんですから。そして日頃手と足を動かすことでいっぱいいっぱいだった後輩たちは頭と心が動くことに刺激を感じるはずです。

 

 

じゃあどうやって頭と心を動かすのか。それは経営陣のトップやお店の店長クラスの脳内を全公開するだけです。そして、この「全公開」は今まで経営陣のトップやお店の店長クラスがどういう視点を持って仕事に励んできたのか、どういった気持ちでお客様を見てきたのかがはっきりと可視化される行動です。なんとなくでしか働いてこなかった人には全公開するほどの中身がありません。きっと日々の仕事の中で全公開されてるはずなので。

 

 

では、「全公開できる人間」とはどんな人物か。さきほど「どういう視点を持って仕事に励んできたか、どういった気持ちでお客様を見てきたのか」と書きましたが、まさにここがキーポイントで、常に仕事とお客様にアンテナを張った状態で生きていたら、どんどん「こうしたらどうかな?」とか「こうできないかな?」とか「これは改善できるな?」などと感じている箇所が無数に脳内に蓄積されているんですよ。

 

 

完全なる自慢にはなりますが、僕はこういった「あれやりたい!」「これ変えたい!」「それいる?」みたいに感じている箇所が無数に蓄積されています。なのでコロナウイルスでお店がガラガラな時でも後輩たちにたくさんの宿題を命じることができます。自分一人ですべての宿題を解いて、改善作業までしていたら死んじゃうんで、こういう時間に任せられる仕事は経験のあるない、先輩後輩、年上年下に関係なく任せる。そして後輩たちは勤務中に僕が出した宿題の答えを考える。答えがあるかどうかもわからない宿題の答えを。結果、僕が出した宿題によって暇をする時間が激減、よって一日が早く過ぎる。はい、「充実」の完成。

 

 

ちなみに僕が後輩たちに出した宿題を少しだけ公開します。

 

・よく使うお酒を冷凍した状態で使用したい(クオリティーアップのため)!でも、冷凍庫にはすでにたくさんのお酒が入っていて、そこにねじ込むのは難しい。さあ、君ならどうやってよく使うお酒を冷凍する?

 

・いまあるベーシックなカクテルの提供方法をアップデートしたい。量は減らさず、でもクオリティーは上げたい。グラスは自由に変更して良し。さ、どんなビジュアルで提供するのがいい?

 

・キッチンのオペレーションを少し変更することにした。その旨を記した広告的な張り紙を作ってほしい。目に入りやすくて、その日のキッチン担当が忘れずに新しいオペレーションを実行できるような張り紙。文字は自由に入れてよし、絵があればなお良し。さ、作ってみよう!

 

 

↑こんな感じでひたすら僕の脳内にある課題をまとめてパスしてます。(詳細は非公開のため、モザイク処理で申し訳ないです)

 

はい、全部ややこしい宿題ですよね笑。でも、いつも現場であれこれ考えながら働いていないと急にやるべきことややってみるべきこと、やってみたいことなどの案って蓄積されないと思うんです。だと当然、宿題なんて生まれない、だからお客様がいらっしゃらない日もいつもと同じことの繰り返ししかすることがなくなるわけです。そんなの飽きちゃうし、手も抜きたくなっちゃうし、あくびも出ますって。

 

 

その点、僕は毎日あれこれ考えながら働いているので、たくさんのやりたいことややってみたいことがあります。それをすべて実行に移すのはかなりの時間と労力がかかる。そのうち自分でも忘れてしまってお蔵入りすることだってあります。忘れてるから覚えてないですけど笑。そんな脳内の僕に言わせれば、不謹慎ですけど、こういった未曽有の状況は「自分の脳内整理ができる貴重な時間」、つまり、「ポジティブに捉えることができる時間」なんです。

 

 

僕の宿題はややこしい。だから後輩たちは大変です。ごめんねって思ってますけど笑、何も考えてなくてただ「暇だから適当に仕事探しといて!」みたいな上司より幾分もましなはずです。そして、僕が考えた宿題の答えがすべて揃った時、僕が働いているバーは他のバーよりも確実に魅力的な要素をたくさん持ったバーに進化を遂げるんです。「暇だなー」「やばいなー」「誰か来ないかなー」みたいに時間をただやり過ごしていた人との差を決定的にすることができる。結果は歴然と現れる、そして後輩たちはこう思うことでしょう。「西舘さんが店長で良かった」と。

 

 

誰だって自分が働いている職場はカッコよくて、家族や恋人に自慢できる場所でありたいと願っています。その願いを先陣切って推し進め、叶えてあげることができるのが経営陣のトップや店長クラスの人間です。僕はその立ち位置にいる。じゃあやるかやらないかの問題だけしか残らなくて、僕はやる派閥の人間です。

 

 

っていうシナリオ。うまくいくかは神のみぞ知る。

 

 

おわり。

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yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。