[バーに行く勇気がない人必読!]バーは”あえて”入りづらいイメージを作っているって話

Grungy door of a closed redlight bar
nicccyの「BAR屋」論

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

「バー」ってなんとなく入りづらいイメージを持っている人ってたくさんいると思います。「お店の中暗そうだし」「お酒に詳しい人が行く場所でしょ」「なんかお金かかりそう」「若い僕たちが行くとこじゃない」的な。ま、実際にこのようなイメージ通りのバーもぜんぜんあるのでイメージというよりは現実って感じです。

 

 

で、バーが入りづらい場所ってイメージはバーテンダーをしている僕でさえ未だに持っているし(だからあんまり行かない、てか行けない笑)、働く前なんてもっと強くそんなイメージがありました。

 

 

ですが、このバーのイメージってよーく考えたら”あえて”作られているんですよ。パッと考えるだけじゃわからなかったんですけど「入りづらそう」というイメージを作ることによって入った時のイメージとのギャップを狙うみたいな。なので今回はバーに行ってみたいけど勇気が出ない人へ「バーは入りづらいイメージを”あえて”作っているんですよ」ってことをお話させていただきます。ではさっそく!

 

 

[バーに行く勇気がない人必読!]バーは”あえて”入りづらいイメージを作っているって話

まずもって「なんで”あえて”入りづらいイメージを作る必要があるのか」って思う人ばかりだと思います。入りやすいに越したことはないし、わざわざ入りづらい場所を選ぶ人なんて基本的に少ないはずです。

 

 

ですが、”あえて”入りづらくしていることでお客様のテンションを絶大に上げることが可能になるんですよ。

 

 

それはなぜか。

理由はひとつ。

「入る前と入った後のギャップを作り出すことができるから」です。

 

 

たとえば道端にある居酒屋さん、きれいな外観のカフェ、大手ファストフード店は入る前からだいたいどんな感じの雰囲気かイメージできますよね?そしてそのイメージは大きく外れることは少ないはずです。入ってみたらイメージと全然違うみたいなことは稀です。つまり、イメージ通りの空間でイメージ通りの時間を過ごすことができるってことです。これはこれでひとつの強みではあります。

 

 

ですが、入りづらい場所に行くのって怖いですよね?どんなにネットで調べたとしても実際にビルの入り口まで来たって外からはどんな店かわからないし、どんな人が働いているかもわからない。混んでるかガラガラかもわからない。つまり、そこに入る前にしているイメージは自分の中に全然答えがない状態、ドンピシャで当たる確率が極めて低いってことです。

 

 

入る前にリアルなイメージができないってことは実際に入った時に感じることとギャップができる可能性が高いですよね。海外に行ったときに思ったよりも過ごしやすかったり、逆に思った以上に過ごしづらかったりするのと一緒です。(ちなみに僕は日本を出たことがないです笑)

 

 

バーはこういったお客様が最初に持っているイメージと実際の雰囲気との印象駆け引きに長けた場所です。お客様のイメージを超えることはやり方ひとつ、自由自在なんです。これが”あえて”入りづらくしている理由です。バーという業態を作った人はきっとこんなことを考えていたんだなって思うと「天才じゃん!」と素直に感じます。

 

 

似たような?似てないかもですけど”あえて”お客様の要望に応えずにお客様のテンションを絶大に上げている業態って実はたくさんあります。たとえば「ディズニーランド」。入場するのに結構な時間がかかりますよね?アトラクションに乗るのにも余裕で2時間とか待ちますよね?でもこれらって全部解決できるんですよ、ほんとは。入場に関しては入口を広げればいいだけだし、アトラクションだって同じものを2つ用意すればいいだけです。そうすればお客様はもっと効率的に夢の国を満喫できますしディズニーランドで働きたいと夢見ている人の雇用だって増やすことができます。いいこと尽くしです。

 

 

それでもなぜディズニーランドは未だに入場するにもアトラクションに乗るのも時間がかかるのか。これこそ”あえて”です。すぐに入れないことによって入れたときの高揚感が増すし、2時間待って乗れたアトラクションはアトラクションの面白さに加えて「やっと乗れる!楽しむぞ!」というお客様のテンションを最大値まで上げています。

 

 

行列のできるラーメン屋さんも一緒です。1時間も待つくらい流行ってるなら拡張すればもっとたくさんのお客様にラーメンを食べてもらえますよね?待ち時間も大幅に減りますし。でもそういうことじゃないんですよ。”あえて”狭い店内のままで行列ができるように仕向けてるんです。そして1時間並んで食べるラーメンの味はすぐに食べるラーメンよりも絶対に美味しいんです。お腹がすいてる状態で1時間も待たされるんですよ?ふつうに考えたらただの鬼畜です笑。ですが「ここのラーメンがどうしても食べたい!」ってお客様は1時間でも並んで食べる。そしてその列を見た別の人が「ここ、すごい行列!」「美味しいんだねきっと!」なんてイメージを持つわけです。これ全部ラーメン屋の意図した仕掛け。

 

 

話は逸れましたが、じゃあ”あえて”入りづらくしているバーが持つギャップって何かってことです。これはバーによってさまざま仕掛けがあるんですけど、僕がいちばんに考えていることは「あれ?思ったよりもフランクだな!」とお客様に感じてもらうことです。もちろん「え?居酒屋のカシオレと全然違う!」みたいな味勝負のところもあるにはあるんですけど、味が居酒屋さんより美味しいことくらいお客様はイメージできている、つまりそこにギャップをつくる旨味はあまりないんです。

 

 

何度も言いますがバーに入りづらい最大の原因は「雰囲気」です。「大人が行く場所」「高級」「きちんとした恰好」みたいな。気軽に行ける場所じゃないっていうイメージがすべての原因だと思います。で、ここをバーが世間一般になかなか馴染まないネガティブ要素だと考える人は非常に多い。でもこれまでの歴史が作り上げてきたイメージをすぐに変えることなんてできない、だったら「バーが入りづらい理由を逆手にとってお客様をビックリさせたらいいだけじゃん!」って話です。”あえて”入りづらくしているんだって。その”あえて”の理由は「ギャップを作ることができるから」なんです。来てくださったお客様がやや緊張しているようであればその緊張から解放して差し上げるだけでもうそのお客様からすればギャップを感じてくれているはずです。「あ、バーの人って案外フランクなんだ!」って。

 

 

優しそうな人が優しかったら「思った通り!」くらいなもんです。怖そうな人が落としたボールペンを拾ってくれたら「あ、優しい・・・」ってなるんです。そんな感じです。

 

 

おわり。

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yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。