[絶対に理解できる!]「ビール」ができるまでの工程を徹底解説してみました      

「BAR屋」を育てるお話

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

今回は日本で一番飲まれているお酒「ビール」ができるまでの工程を徹底解説していこうと思います。

 

 

普段何気なく口にしている「ビール」。その作り方ってよく知らない方が多いはずです。

 

 

でも、勉強しようと思ってお酒の教科書を開くと小難しい説明の嵐嵐・・・。僕も途中で心が折れて「ま、いっか」ってなった日が何度もありました。

 

 

なので、絶対に誰でも理解できるような解説をします。やや長文になりますが、ここに書いてあることさえ理解できればほぼビールとは友達になったと言えるでしょう。では!

 

 

[絶対に理解できる!]「ビール」ができるまでの工程を徹底解説してみました

 

 

 

~初めに~

最初に知っておくべきことがあります。それは「ビールっていったい何が原料なのか!?」ということです。

 

 

「ビール」の原料は麦芽ホップです。このふたつは絶対的に使用されます。例外なしです。肉じゃがで言えば「肉」と「じゃがいも」にあたります。

 

 

日本中の缶ビールの原料欄を見てください。100%麦芽とホップは記載がありますので。

 

 

あと、「コーン」「スターチ」「米」なんてものも使用されている場合があります。これらはあくまで製造元が独自の味を出すために使用しているものです。つまり、ビールを作る上で絶対的な材料ではないってことです。

 

 

さ、次へ進みます。

 

 

①麦芽作り

麦芽っていうのは、大麦に芽が出た状態のものを指します。

(ちなみに麦芽作りに使用される大麦は「二条大麦」という品種です。詳しくは以下記事より)

関連記事:ビールの原料である「麦芽」作りに二条大麦が選ばれている理由

 

 

↑これが何もしていない野生の大麦です。

 

 

大麦を水に浸すと芽から根っこが出てきます。で、根っこが出てきたら人工的に熱風をあてて水分を飛ばして芽の成長を止めます。これで麦芽は完成です。

 

 

 

「よし!ビールの原料は手に入れたぞ!」

 

 

まだまだー。最後に麦芽に出てきた芽や根っこをキレイに取り除く作業を行います。(この作業は「除根」と呼ばれます。ひねりなしの作業名笑)

 

 

芽や根っこがついている状態でビールを作ると余計な雑味や香りが出るんですって。ビールって繊細なお酒なんですね。

 

 

 

↑最終形態がこちら。

 

 

次の工程へ進みます。

 

 

②麦芽→麦汁にする

精製した麦芽は細かく砕かれて後に、大きなタンクに溜めた温水の中へ放り込まれます。この麦芽入り温水を徐々に混ぜていくとリゾットのようなドロドロ状態へと変化していきます。

(このリゾットのようなドロドロ状態のものを「マイシェ」と呼びます。ま、滅多に聞かない単語なので別に覚えなくてもいいです笑)

 

 

 

↑チーズリゾットみたいじゃないですか?笑

 

 

で、このドロドロ状態の「マイシェ」を混ぜ続けていると液体になります。

 

 

不思議ですね。化学反応が多々起こってるんでしょうね。

 

 

その化学反応の中で知っておくべきことは以下2つです。

 

 

・デンプンが糖分に変わる

(大麦→麦芽になると麦芽は「酵素」という名のタンパク質を手に入れます。その酵素がデンプンを糖分に変化させる能力を持っているんです)

・酵素(タンパク質)がアミノ酸に変わる

 

 

急に難しくなりましたよね。ま、化学反応なので「こうなるんです!」としか言えないのでこの理論は諦めて受け入れましょう。

 

 

最後にその液体になったものを濾過すれば麦芽からできたジュース「麦汁」の完成です。

 

 

「よし!もうちょっとでビールになるんじゃない!?

 

 

③麦汁を煮沸する

出来上がった麦汁の中にはまだ「酵母」が残っています。さきほど書きましたが、酵母はデンプンをひたすら糖分に変えていくのでその動きを止める必要があるんです。なので麦汁を煮沸します。つまり、「殺菌」ですね。

 

 

「酵母おつかれさま!おやすみ(*^-^*)」

 

 

また、煮ることでビールに似合わない余計な香りを飛ばすこともできます。そのままビールにすると美味しくなくなるので。

 

 

煮沸の工程は「ビールの素を整える」イメージを持っていただけるとわかりやすいかと思います。

 

 

④ホップを加える

煮沸の段階でもうひとつ大切な工程があります。それが「ホップを加える」ことです。

 

 

「ビール」の原料は麦芽ホップです。このふたつは絶対的に使用されます

 

 

~初めに~の部分で書きましたが、ホップがなければビールは完成しないんです。そのくらい重要な原料はこの煮沸の段階で投入されます。

 

 

「てかホップって何ですか?」

 

 

 

はい。簡単に説明します。

 

 

 

↑ホップとは、こんな感じの緑の植物です。(説明になってない笑)

 

 

で、ホップには「ルプリン」と呼ばれる黄金色の粉が入っていて、この「ルプリン」がビールの苦みにだったり、ビールの泡持ちをよくしてくれたり、澄んだ液体にしてくれたりするんです。

 

 

これで麦芽ジュースである「麦汁」に苦みが加わって本格的にビールの素となるわけです。

 

 

発酵して糖分をアルコールに変える

ホップを加えて完全に完成した麦汁を遂にビールに変えていく作業が「発酵」です

 

 

「発酵」させるために人工的に麦汁に酵母を加えていきます。この時に加えられる酵母が昔流行った「ビール酵母」と呼ばれるものです。

(みなさま知ってますかね。ダイエット食品として一世風靡したんです。ビール酵母)

 

 

 

↑ビール酵母

 

 

ビール酵母の働きによって、麦汁の中にある糖分がアルコールと炭酸ガスに変化します。これでほぼビールは出来上がったも同然です。

 

 

ちなみにどのようなビール酵母を使用するかによって風味や味が変わります。世界中のビールが同じ酵母を使用しているわけではないってことですね。生産者様のこだわりが出る部分でもあります。

 

 

この発酵でできるビールは「若ビール」と呼ばれます。若いビール、つまりまだ完成ではないってことです。

 

 

「まだ飲めないの!?」

 

 

美味しいビールにするためにはたくさんの工程が必要なんですね。ちなみに「若ビール」を作るための発酵段階のことは「主発酵」と呼ばれています。

 

 

⑥熟成させる

➄発酵して糖分をアルコールに変える段階でできた「若ビール」はまだまだ粗削りな味と風味でとても美味しいビールとは言えないので、熟成をさせます。

(この工程は「後発酵」と呼ばれます)

 

 

専用のタンクに移された「若ビール」は約1ヶ月前後寝かされます。その後目覚めた「若ビール」は見事なまでに成長した姿を見せてくれるんです。

 

 

「つ、ついに完成ですね!」

「早く飲みたーい!」

 

 

↑作り手さんは品質チェックを理由にきっといつも飲んでる・・笑

 

 

⑦ろ過→出荷

「後発酵」の末に完成したビールは最後にろ過され、のちに瓶に詰められたり樽に詰められたりしてお客様の元へ届けられます。

ろ過→ビール内に残った酵母などの不純物を取り除いてキレイな液体にするために施される作業

 

 

ちなみにですが、昔はビール内に残った酵母を死滅させるために加熱殺菌をするこがメジャーな方法だったようですが、現在は技術の進歩によってろ過するだけで酵母はいなくなるので加熱殺菌をするビールは非常に少ないです。

(で、ろ過して出荷されるビールを総称して「生ビール」と呼びます。お店で飲む樽生だけが生ビールじゃないんですよ。缶ビールも瓶ビールも今はほとんど「生ビール」と呼ぶことができます。意外と知られていない真実)

 

 

「カンパーイ!」

 

 

 

まとめ

[絶対に理解できる!]「ビール」ができるまでの工程を徹底解説してみました。

 

 

 

 

 

美味しいビールができるまでには工程がたくさんあるんです。これだけ手間暇をかけて作ってくださっている生産者様がいるって思うと、ひと口ひと口大切に味わって飲むことができますね。

 

 

今夜はビールで乾杯なんていかがでしょうかってことで。

 

 

おわり。

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yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。