こんばんは(*^-^*)西舘です。
東京の中でも随一の高貴な街「銀座」。
洗練された街並み、品の良いテナント、小綺麗に着飾った大人たち。
そんな雲の上のような街に、23歳の僕が従兄弟とそのお父様と一緒に足を踏み入れた時の話をさせていただきます。
従兄弟のお父様には、顔なじみのバーがありました。銀座に顔なじみのバーがあるってだけでなんだかすごい人なんだろうなと感じたわけですが、昔から知ってる従兄弟のお父様はただのひょうきんもの。銀座ってもしかしたら庶民でも気軽に過ごせる街なんじゃないかとかすかな希望が生まれた瞬間でした。ま、結果ぜんぜんそんなことなかったですけどね。
さっそく、お父様にエスコートしていただいて、バーの中へ入っていきました。場所は地下一階。今まで経験したことがないほどの暗い店内。カウンターに置かれてた数個の弱弱しい光を放っているライトだけが唯一の灯りだったんじゃないかってほどでした。勝手に想像してた銀座感がリアルに目の前にありました。
バーテンダーさんは40代後半か、もしかしたら50代かなという男性。短く整えられたヘアスタイル、ゆったりとしながらもメリハリのある声のトーン、なにより銀座を庭にしている余裕感みたいなものさえ一瞬で感じ取ることができました。
さっぽろの人間は東京を遥か格上の街だと考えている証拠。
そんな緊張感漂うバーでさいしょに飲んだ一杯は・・・。
ぜんぜん思い出せない!!
そのあとから飲んだお酒の印象が強すぎて脳内から抹消されたようです笑。
なので、二杯目からのお話を。
二杯目は、「ジャックダニエル」というウイスキーと「バランタインファイネスト」というウイスキー。しかもどちらもストレートで。
僕:「(ゲゲッ!!ウイスキーのストレートなんて飲めないんですけどー(;・∀・))」
当時、やっとハイボールを美味しいと思えるようになった程度の僕。ソーダ割りでさえそこまで飲めないのに、ストレートで飲むだと!?ムーリー。アルコール度数40度ですよ?ムーリー。
関連記事:[ウイスキーが苦手なあなたへ] ウイスキーが大嫌いだった僕が美味しく飲めるようになった方法
どちらもバーテンダーさんがわざわざアメリカとスコットランドで直接仕入れてきたものだったようで、「日本で売ってるものとぜんぜん味が違うので、ぜひ飲み比べしてみてください!」とのことで、このような流れになったんです。
(同じブランドでも、現地で買ってきたものと日本で売っているものは別物だとバーテンダーさんはお話されていました)
従兄弟とお父様はゆっくりと香りを嗅いだ後にウイスキーを口に運び、「え!?ぜんぜん違いますね!!」と願ったりかなったりのリアクション。バーテンダーさんも納得の表情といったところでしょうか。
そして僕は・・・。
僕:「(僕だってまだ二年目だけどれっきとしたバーテンダーなんだ!ここはカッコよく味の違いを感じなければ!大丈夫!僕なら飲めるよ!自分を信じて!)」
と、まるでオリンピックの決勝戦の前の選手のように心の中で自分を鼓舞しながら、でも毒付いた生き物を食べさせられる時のような恐れおののいた状態でウイスキーを口へ運びました。
そしてウイスキーを口を含んだ時の感想。
僕:「たしかに味はぜんぜん違う!てか、きつい!うん!やっぱきつい!井戸くれ、井戸!!水がなきゃ飲めない!!(;”∀”)」
味の違いは歴然でした。ウイスキーが苦手だった僕でさえわかったくらいですからね、ま、どっちが美味しいとかまではわかりませんでしたけど笑。ただ、そんなことよりも「なぜ、銀座にまで来てウイスキーなんですかーっ!?ウイスキーなんてどこで飲んだって一緒じゃん!銀座のバーテンダーさんのカクテルを飲んで勉強したいのにぃぃぃ(;・∀・)」という気持ちが前に出すぎて、さっさとウイスキーを飲み切って次の一杯へ移行したいとばかり考えていました。
ウイスキーのストレートは量が少ないので(だいたい30ml が相場。量的にヤクルト約半本分ですね笑)、がんばって口に含めばすぐになくなりました。がんばって飲むものではないんですけどね、実にもったいない飲み方だってことはわかってはいましたが、銀座で飲む機会なんてこの先いつ訪れるかわからない。だったら、ちゃんと自分が飲みたいお酒を飲みたいという気持ちがウイスキーが入ったグラスをめでたく空にしてくれました。
三杯目からは、僕も従兄弟もお父様も自分が好きなお酒を飲む流れになりました。「うんうん、それでいいんですよ!」って小さくガッツポーズでもしたかったところですが、場所が場所だったので腕は太ももあたりでキープ。
そして、三杯目となるお酒に僕が選んだもの、それは、
僕:「ホワイトレディをください!!」
※ホワイトレディ
→アルコール度数約30度のカクテル。バーテンダー駆け出し時にアホほど練習させられるほどに超有名。どんなカクテルか興味がある方は「ジャパンバーテンダースクール」様の動画リンクを貼っておきますのでそちらからどうぞ。
↓
当時はたかだか2年目のバーテンダーだった僕でしたが、ホワイトレディに関しては練習でたくさん作ってきたし、先輩後輩が作ったものもかなり飲んできたので、銀座のバーテンダーさんが作ったものはどんな味に仕上がっているのかとても興味があったんです。
そして完成されたホワイトレディが手元に届きました。飲む前の感想をひとこと。
僕:「(え?ぜんぜんシェイクしてないじゃん!大丈夫?ちゃんと混ざってる?)」
カクテル作りにおける不正解はありません。ひとりひとりが自信をもってお客様へ提供したもの、それが正解なので。ただ、僕が育ってきた環境の作り方と銀座のバーテンダーさんの作り方はぜんぜん違って、その振り幅にかなり衝撃を受けたんです。ちなみに僕がホワイトレディを作る時は、25回くらいシェイクするのですが、銀座のバーテンダーさんは10回もシェイクしてなかったんです。しかも、力強さなんてこれっぽっちもなく、まるで猫をなでるくらいに優しいシェイクをされていました。
そして、僕は念願の「ホワイトレディin銀座」を口にすることができました。感想はシンプルにひとことです。
僕:「(めちゃくちゃキツい!!(;”∀”))」
バーテンダーかじりたての坊やが到底飲み切れる味ではありませんでした。ひたすらお酒の味がして、美味しいとか美味しくないとかそういった話まで到達することができなかったんです。
僕:「(このままがんばって飲んだら確実に具合悪くなって銀座の夜が終了してしまう・・・でも、お酒は残さないように先輩から教えられてきたし・・・どうする!?(;・∀・))」
東京滞在はわずか二日間。
明日は池袋で食事をする予定がある。
体調不良で行きたくなんかない。
でも、銀座なんて今度いつ来れるかわからない。
だったらもう一杯勉強のために飲みたい。
さまざまな葛藤の中、僕が選んだ道、それは「なんとか飲み切ってもう一杯カクテルを飲む」でした。
さぞ「美味しいです!」みたいな表情を浮かべながらも、実際は地獄のジュースでも飲んでいるかのような気持ちでした。口をつけてもぜんぜん減らない。そりゃそうですよね、ほぼ舐めてたに近いくらいしか口に入れてませんでしたから笑。
それでもなんとか鬼門のホワイトレディを飲み切った僕。完全に酔っ払いの出来上がりだったのですが、もう一杯バーテンダーさんにお願いするカクテルはすでに心の中で決まっていました。
が。
バーテンダー:「ジンがお好きなんですか?(ホワイトレディのベースとなっていたお酒の名前)」
僕:「あ、ホワイトレディは勉強のためにたくさん練習してきたのでジンはよく飲んではいます!」
バーテンダー:「では、お次はマティーニをお作りしましょうか?」
僕:「マティーニですか?あ、じゃあお願いします」
おいおい!!
「じゃあお願いします!」じゃねーよ自分!!
マティーニなんて飲めるわけないじゃん!!
あ、「マティーニ」というカクテルがあるんですけど、簡単に説明すると、「ホワイトレディよりもずっとアルコールがきついカクテル」です。つまり、ホワイトレディで面食らってた僕に飲み切れるような敵ではないってことです。はい、明日の体調サヨーナラー。
そして、またバーテンダーさんが作ってくださったマティーニがめちゃくちゃお酒濃いのなんのって。もう「ほとんどジンのストレートじゃん!!」くらいにキレのいい辛さで、口を付けた瞬間、銀座の夜が幕を閉じるのはあと数分後だなと確信さえしました笑。
結果、マティーニは半分も飲むことができずにタイムアップ。従兄弟のお父様にごちそうになり、そのまま山の手線に乗って渋谷のホテルまで帰ったわけですが・・・。
ホテルに着いた瞬間、ベッドへダイブ、そのまま寝落ち。
バーで潰れなかっただけマシかなと。あと、トイレのお世話にもなりませんでした。
ただ、
銀座デビュー戦は、楽しかったけど思ったようなシナリオにはならなかったってことで、いつの日かリベンジマッチを開催しなければいけないなと今更思うわけです。
バーで飲みすぎちゃダメですよ。
お酒は適度に。
自分の好きなものを好きなペースで。
おわり。
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yuki_nicccy
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