こんばんは(*^-^*)西舘です。
BAR屋になった当初、僕は先輩の言うことも素直に聞けない出来損ないのしょうもない大学生だったんですけど、それを象徴するとある出来事がありました。
関連記事:バーで働き始めた当初の僕は素直じゃない出来損ないだったって話
「出来損ないの大学生アルバイトバーテンダーがマネージャーに喧嘩を売る」
当時のマネージャーはお店では「プリンス」って呼ばれてたくらい爽やかで腕も確かなバーテンダーでした。お客様からの人気、信頼もすごくてその点においては憧れていたんですけど、僕がしょうもなかったせいで全然可愛がってもらえてなかったんです。
ほぼ同期の女の子の先輩はマネージャーから一目置かれていて、その光景が少なからずとも面白くなかったんでしょうね、あんま思い出せないですけど。やさぐれてたんで。
僕が最初に働いていたバーでは、営業終了後にスタッフみんなでハイボールを飲みながら雑談をすることが日課となっていました。もちろん僕もその場にはいつもいて、一番下っ端だった僕が先輩たちにハイボールを作る係りだったんです。
そんな日々の中でとある週末の営業終了後。僕がお酒をどのくらい飲めるかみたいな話になりましてですね、何を思ったのかその時に僕は暴言をひとつ吐き出してしまったんです。
僕:「僕、大学の飲み会で結構飲んできた経験があるんでマネージャーにはたぶん負けないっすよ!」
マネージャーは色白でひ弱そうなタイプの人でした。どう見たってお酒に強いようには見えなかったからこの際真っ向勝負してやっつけてやろうって気になったんです。
僕:「思い知らせてやる!舐めんなよまじで・・」
マネージャーは笑ってました。周りの先輩たちも笑ってました。「あいつ何言ってんだ笑」くらいな空気だったんですけど、僕は大真面目にぶっ潰してやる気でいたので逆に気持ちに火がつきました。
マネージャー:「わかった、いいよ。どっちかが潰れるまでやるか!」
僕:「そうですね。やりましょう」
マネージャー:「よし、とりあえず座っていいよ」
僕:「わかりました」
マネージャーは僕をカウンターの椅子に座らせたあとに自らカウンターの中に入りました。そして冷凍庫からキンキンに冷えたテキーラの瓶とショットグラスと呼ばれる小さなグラスを取り出し、そのグラスにテキーラを注ぎました。瓶ビールを注ぐ時にようなトクトクトクみたいな音さえ一切しない-20℃に冷えた恐怖のお酒。テキーラなんて全然飲んだことがなかったんですけど、この時はただただ満ち溢れた自信と負けたくない気持ちが混ざり合っていくらでも飲める気がしていました。
マネージャー:「じゃあとりあえずカンパーイ!」
僕:「ありがとうございます!」
ショットグラスに注がれた-20℃のテキーラは予想を遥かに超えるアルコールのキツさで正直ビビりました。大学の飲み会で出てくるピッチャーのモスコミュールなんかと比べ物にならないパンチ力。まるで世界チャンピオンのストレートくらいの効きでした。
ですが・・・
僕:「余裕っすね!」
マネージャー:「そうか。じゃあもう一杯いこう」
僕:「そうしましょう」
って強がった僕。
二杯目。さらっと飲んでるフリはしていましたがもちろんカラダは正直に「うわ!きつ!やば!」みたいな反応を示してきました。でも売った喧嘩に負けるなんてみっともないことはできないし、きっとマネージャーも同じ感じでダメージを喰らっているはずと信じ、その後の三杯も飲み干しました。
そこで僕の記憶は途切れました。
気付いたら家のベッドで寝ていた僕。
僕:「え?なんで家にいるんだろう・・勝ったのかな、僕・・」
ぜんぜん定かじゃない前後の時間。とりあえず死ぬほど気持ち悪い。
母:「おはよー。大丈夫?ベロベロで帰ってきたから心配してたんだよ」
僕:「あ、自分で帰ってきたんだ。にしても全然記憶がないや」
母:「あんた強くないんだからあんま飲むんじゃないよ。心配だわー」
人間って記憶がなくても歩けるし家に帰れるんですよね。摩訶不思議。
そんなこんなで生意気な大学生はバー業界の先輩にコテンパンにやられましたとさ。
ちなみにですが、そのあと僕はマネージャーと良好な関係を築くことに成功。当時のこの出来事を振り返ってマネージャーは「今までいろんな後輩を潰してきたけど、あの日は久々にダメージ残ったわ!」と言っておりました。
足跡くらいは残しました。当時の生意気な自分、よくやった。
※良い子は真似しないようにしましょう。これホントに。
yuki_nicccy
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