何も知らずに名前だけでカクテルをオーダーするとほとんどきついカクテルしか出てこない説

Two charming ladies with menu in restaurant.
バーあるある

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

「カクテルなんてカシオレくらいしか知らない」

「名前だけじゃ何が入ってるかわからない」

なんて方がたくさんいることと思います。多くの方がビールやハイボール、レモンサワーのような気軽に楽しめるお酒を口にする機会が多いことは事実ですからね。

 

 

で、カクテルって小難しい横文字が並んでいて難解ですよね。全部カシオレとかピーチソーダみたいにわかりやすければいいのになんて時折思ったりもしちゃうくらいです。そして、カクテルってなんとなく手に取りづらい空気感を醸し出しているんですよね、小難しい横文字のせいで笑。

 

 

でも、バーに行く機会があった時に知らない自分を隠してなんとなく「美味しそうな名前だからこれにしよ!」「格好良い名前だし飲んでみよ!」ってなって適当にオーダーしたとしたら・・・

 

 

「だいたい美味しくないですよ」

「きつくて飲めないですよ」

って話を今回は現役BAR屋として数百種類のカクテルを学んで味見をしてきた僕の昔の体験談も交えていきます。

 

 

カクテルは名前を知らないと頼むべきではない。多くの人が後悔することになるだろうから。

 

 

ということで、さっそくそんなお話を。では!

 

 

何も知らずに名前だけでカクテルをオーダーするとほとんどきついカクテルしか出てこない説

 

 

 

 

①兎にも角にもまず実例をご紹介

あれこれ書く前に例を挙げておきます。

 

 

準備いいですか?

 

 

これからご紹介するカクテルは基本的にアルコール度数が高めです。

(※日頃からウイスキーやテキーラなどを飲まない人が「お酒の味するっ!」って感じるレベルだと考えてください)

 

 

・マタドール

・マティーニ

・ホワイトレディ

・マルガリータ

・ゴッドファーザー

・エクソシスト

・ジャックローズ

 

 

 

もしカクテルに詳しくないのにバーに行って、そこのメニュー表に上記のカクテルが載っていたとしたら興味の沸くものはありますか?

 

 

「マタドール?闘牛士って意味じゃん!ウケる!」

「ホワイトレディ?白い女!変な名前!」

「ジャックローズ?キャバクラ?それともホストクラブ?」

 

 

 

なんて思っちゃうかもしれないですよね?そして面白そうだからオーダーしてみる。そしたらめちゃくちゃきつくて死にそうになるはずです。水なしじゃまず飲めない度数なんで。

(実際に僕のバーでもよくある話です。「これ頼んでみようよ!」ってノリでオーダーしたら「きつっ!」ってなって別の人に飲んでもらう団体様がたくさんいます。そのまま眠りについちゃう人も・・)

 

 

②なぜカクテルの名前は小難しいものが多いのか!?

まずもってカクテルの名前ってすべて製作者の意図だったりイメージが込められています。歌の題名なんかもそうですよね。適当に「こんな感じでいっか」で付けられているものはないんです。

 

 

ということはですね、自然と小難しいけど字面が良かったりお洒落に見える名前に辿り着く可能性が高くなります。

 

 

たとえば、某企業のカクテルコンペの歴代最優秀カクテルの名前が以下です。

 

 

・紫翠(シスイ)

・Aile d’ore(エルドール)

・Red Cattleya(レッドカトレア)

・Lejay Chocolatre(ルジェショコラトル)

・カリビアンドリーム

・Haleine(アレンヌ)~風のそよぎ~

 

 

カクテルっぽいですよね。

おしゃれですよね。

もしくはヴィジュアル系の歌の題名みたいな笑。

 

 

どれもいくつもの審査を通過して優勝を勝ち取った素晴らしいカクテルたちです。レシピも確かに完成されているし実際に美味しいです。

 

 

ですが、誰にでもオススメできるかといえばそれは違うんです。

 

 

美味しいカクテルだからといって誰にでもオススメできない理由

じゃあなぜ実際に美味しいのに誰にでもオススメできるわけではないのか。

 

 

それは「お酒の味がきついから」です。

 

 

上記に記載した歴代最優秀カクテルのベースとなっているのはすべて「スピリッツ」と呼ばれる40度以上あるお酒です。(ジンとかテキーラとか)つまり、まずもってカシオレやファジーネーブルと違って根本的にお酒がきつくなるようにしかならないってことです。

 

 

たとえば、100度の熱湯を湯船の半分量注いだら、相当な冷たい水を入れないと温くならないですよね?

 

 

カクテルも一緒で、度数の高いお酒を使用するってことはそれ相応のアルコール度数になります。ジュース感覚の味にするにはかなりのノンアルコール飲料を加えなければいけません。もし加えたとしたらカクテルのサイズがス〇バのベンティサイズみたいになります。(ちなみに590ml)

 

 

萎えますよね笑。

 

 

④僕と友人の体験談

では、現役BAR屋の僕がまだバーテンダーになる前に体験した話を綴ります。

 

 

大学2年生の時にとあるダイニングバーさんにお邪魔したんです。ウッディな店内と格好良いBGMが流れる素敵なお店でした。

 

 

そのお店のメニュー表には見知らぬ横文字の飲み物がたくさん載っていました。正体はカクテル。カシオレやファジーネーブルしか知らなかった僕はどれもこれも全く味もわからなかったし何を混ぜているものなのかも当然知りませんでした。

 

 

でも、ヴィジュアル系好きの血が騒いだのか何なのか笑、「ブラッディメアリー」というカクテルを発見したので、

 

 

「僕、ブラッディメアリーください!」

と声を高らかにオーダーしたんです。

 

 

結果、まさかの大嫌いなトマトジュースのカクテルでした。

そしてお酒の味もすごいする。

 

 

なんとなく選んだことがその時間を地獄にしたんです。

 

 

あの日から、「あ、勉強しよ!」と思いました。振り返ればいいきっかけになったと今はポジティブに捉えてはいます。

 

 

けど。

 

 

ホントにきつかった笑。

 

 


 

 

友人T君は大学時代の友人です。お酒があまり得意ではなく、仲間で行った卒業旅行では部屋で飲まされすぎてひとりだけトイレから出てこれずに朝食ビュッフェに行けなかったという歴史を持っている男です。

 

 

そんなT君ですが、僕が働いているバーにはよく来てくれていました。ジュースみたいなカクテルを数杯飲むだけできっといっぱいいっぱいだったと思うんですけど、いうてもまだ若かったのでノリで名前だけでオーダーするような飲み方をしていたんですね。

 

 

その時にオーダーされたのがさきほども登場した「ホワイトレディ」というカクテルです。

 

 

40度のお酒が配合の3/4を占める強烈にきついカクテルです。僕は「きっと飲めないよ!」と助言をしました。(たぶん笑)でもT君は「大丈夫!」と言ったので言われた通りにホワイトレディを作って出したんです。

 

 

その結末たるは散々でした。

 

 

ベロベロになったT君はカウンターで吐いたんです。

 

 

「だから言ったのに・・」

なんて思っても後の祭り。

(あの時やはり止めておくべきだったと心底反省しました笑)

 

 

別の友人と一緒に来てたのでその子に帰りは送ってもらっていましたが、無理をすれば誰かに迷惑がかかります。「お酒は適度に」と言われる所以です。

 

 

➄まとめとバーテンダーからの助言

 

何も知らずに名前だけでカクテルをオーダーするとほとんどきついカクテルしか出てこない説についてでした。

 

 

 

 

 

カクテルを作る上での主要なお酒は基本的に全部きついんです。某缶チューハイが3%のアルコール度数で販売されているのはあくまでノンアルコール飲料、つまり水やお茶やジュースでかなり割っているからです。

 

 

ちなみにですが、カシオレだって調合ひとつで殺人的なカクテルに変えることだってできちゃうんです。カクテルの味を優しくするもきつくするもバーテンダーのさじ加減で決まっていると言っても過言ではありません。

 

 

なので、ここは素直にカクテルに詳しくないのであればその事実は認め、そしてプロや知っている人のアドバイスを聞くことをオススメします。

 

 

楽しい飲み会にならないと誰かとお酒を飲む本質を失ってしまいますからね。恰好つけたい気持ちは未来に持ち越してまずは身の丈に合ったカクテルをオーダーできるようになることを切に願っております。

 

 

おわり。

The following two tabs change content below.

yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。