「バー」という場所が唯一僕を変えてくれた

「BAR屋」という仕事の魅力

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

高校から大学へ行った理由、それは「就職したくなかったから」。すごくやりたいこともなく、すごく興味があることもなく、ただなんとなく社会の海に飛び込んで流されていくことに抵抗があったんです。

 

 

高校から大学へ行った理由、それは「大学で夢を見つけられると思ったから」。4年も通えばきっと何かやりたいことが見つかる。なんの根拠もなければただの妄想だったことを後から知るわけですけど、そんな漠然とした理由だけが当時の僕の生きる上での希望でした。

 

 

なにがキッカケで知ったか、今となっては全く思い出せないんですけど、英語での授業の中で「あなたの夢は何ですか??」みたいなやりとりをクラスメイトとしたことがあります。そのクラスメイトはさほど絡みのない、ただ先生に組まされただけの相手でしたが、その時に僕は初めて言葉にしました。

 

 

僕:「バーテンダーになってみたいです!!」

 

 

キラキラ輝く札幌の中心街、制服に身を包んでシェイカーを振る。たくさんのお客様の注目を浴びる。誰もが立つことができる舞台、主役。そんな世界をなんとなく想像してはテンション上げてた僕。人見知りで気弱で、お店の予約電話ひとつかけるだけで1時間かかっちゃうような僕がバーカウンターに立てるわけなかったのに。

 

 

って思ってました。

 

 

事実、「バーテンダーになりたいです!!」とか言っておきながら、働いてたバイト先はカラオケボックスだったりピザ屋さんだったり日雇い派遣だったり。言ってることとやってること、全然辻褄あってなかったんです。バーの求人を眺めては「僕なんか無理だよね・・・」って目を逸らし続けた日々。大学3年生の冬を迎え、「いい加減マジでバーで働かないと何にも始まらない!!」という焦りでやっとこさバーへ電話。最初に受けたバーは落ち、「やっぱりダメか・・・」なんてまた独り落ち込む。でも口だけで終わらせたくなくてなんとか重い腰をあげ、別のバーの面接へ。結果、そこのバーが今の僕の原点となりました。

 

 

何も知らなくて、怖がりで、カッコイイ先輩たちを前に絶望さえ感じた当初。続けられるかどうか不安でしかなくて、あんなに憧れてたバーテンダーになれる権利を手に入れたのに出勤するのがなんか嫌だった。僕は先輩たちとは人間としての差があまりにもありすぎ、そう感じてたんです。

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でも、続けてくうちに少しずつ慣れてくるもので、気付けば先輩たちからも褒められるようになり(←1年くらいかかりましたが笑)、お客様からも認知されるようになって、やっと心から仕事を楽しめるようになったんです。憧れだったバーで成長してる自分を、変わっていく自分を実感。

 

 

「バー」という場所が唯一僕を変えてくれた。

 

 

ただ働いてお給料もらって暮らしていく人生にしたくない、自分でちゃんと選んだ道で、納得できる道で生きていきたい、そんな生きる意味とか考えちゃうタイプだった僕は「バー」という世界に出会えて心から良かったって思ってます。大きな憧れ、理想。他の人から見たらほんの小さな、でも自分からしたら心臓飛び出るくらいの勇気。それが今に繋がってることは奇跡でもあり、大学生の頃に未熟ながらも描いてた未来があったからこその今でもあるなーなんて。おかげさまで毎日充実してます。うまくいかないこともありますし、二日酔いで死にかけてる日もあります笑。それを加味しても大学生だった頃の僕は今の僕を見たらきっと憧れてるはず。そんな今を作ってくれたのは間違いなく「バー」という場所です。

 

 

たくさんの生き方が無限にある中で、僕は僕が選んだ道を誇りに思います。そして、これからもこの道を選んだことをきっと後悔することはないと信じてます。

 

 

「バー」にいれば、辛いことがあっても悲しいことがあっても笑顔になれます。辛い気持ちや悲しい気持ちが消えるわけじゃないんですけど、少しでも笑える、そんな場所があることに幸せを感じてます。

 

 

なのでみなさま、バーへ行きましょう。「バー」という場所に触れてみてください。なにか得られるものがあるかもしれません。なにも得られないかもしれませんけど、僕みたいに自分を唯一変えてくれた場所だと言い切れるような人間もいることは事実です。

 

 

長くなりましたがおわり。

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yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。