[正解なんてない!]飲食店はコロナと一体どう戦う?

Young couple sitting outdoor in a bar chatting and relaxing, view behind a shop window - interaction, affection, communication concept
nicccyの「BAR屋」論

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

今回は、「飲食店はコロナと一体どう戦う?」かについて、BAR屋一筋14年の僕の独り言です。

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大防止のために多くの飲食店が臨時休業に入っています。ですが営業を続けているお店も多く、街中がねじれているなという印象を個人的に持っています。

 

 

自粛だ自粛だと言われている中、SNSで自宅でゲームをしている姿を公開する人もあれば、連日混雑している居酒屋で飲んでる人もいる。人通りはたしかに少ないけど誰もいないわけじゃない。僕が働いているバーにだってお客様は来る。いつもよりは遥かに少ない人数ですけどゼロじゃない。

 

 

で、飲食店の中で休業を決断したお店は「緊急事態宣言が出たため」や「感染防止のため」、「働いているスタッフを守るため」などの理由でお店を閉める決断をされたことと思います。逆にお店を開け続けることを決断したお店の意見としては「ひとりでもお客様がいらっしゃるならやるべき」「休めば存続できなくなるから」などの理由が挙げられることと思います。

 

 

休業を決めたお店からすればお店を開け続けているお店は「なんで閉めないの?」「スタッフのことは考えてないの?」「モラルに欠ける」なんて印象を持つことでしょう。たしかにお店が感染場所になってはいけませんし、スタッフにも危険が及ぶことは当然考えなければいけないことです。

 

 

ただですよ、今は休業を決めたお店はいつまで休み続けるつもりなのでしょうか?

緊急事態宣言がもし長期にわたって発動され続けた場合はずーっとお店を閉め続けるのでしょうか?

それとも「あと何週間かで終わるでしょ!」みたいな楽観主義なのでしょうか?

 

 

新型コロナウイルスに関する人々の意見や意識はめちゃくちゃ細かい時間軸で更新され続けています。

 

 

「なーにー最近変なウイルス流行ってるんだって!自粛しよう!」

「落ち着いたみたいね!よし!遊びに行こう!」

「いよいよ夜の店は閉めろー!」

「お店、どこも閉まってるね・・」

「????」

 

 

そう。この一ヶ月二か月の間で人々の新型コロナウイルスに対する見方は目まぐるしく変化しているんです。つまり、「明日、人々のウイルスに対する道徳がどう変わるかなんて予想不可能」だということです。

 

 

そして、飲食店を筆頭としたサービス業全般において、休業を続けてお店を維持できる期間なんてせいぜい2ヶ月くらいなんじゃないかと思います。(超有名大手は別として)ということはですね、もしこの新型コロナウイルスの状況が二か月後も変わらなければ、多くの飲食店は営業を再開するか、そのままお店をたたむ、つまり「潰れる」の二択になるってことです。上手に業態転換をする企業も出てくることでしょうけど、きっとほんの一部の企業だけだと思います。ほとんどのサービス業は「再開or潰れる」のどちらか。

 

 

つまり、何が言いたいかっていうと、「お店を閉める決断をしたことが英断だと言えるのはあと少しかもしれない」ということです。局面が変わらないうちに営業を再開すればそれこそ「なんでこの時期に営業再開したの?」と世間から言われても何も言えませんよね。だってそのままお店を閉めてたら潰れちゃうんですもの。会社も守れない、そしてスタッフも守れない、だったら営業するしか方法はないわけですから。「消毒しました!」「喚起ばっちりです!」「ゆとりのある席です!」なんて言ったってお客様には伝わらないんですよ。「じゃあ行こうか!」ってなるのはもともとあまり気にしないで外出してた人たちだけ。正体はお店側の「開けなきゃ生きてけないんです・・」って隠れた悲痛の叫び付き広告です。

 

 

また、お店を開け続ける決断をした場合、その瞬間はバッシングを受けることになるかもしれません。ですが近く営業を再開するのであれば結局は同じような視線を浴びることになるんです。なので開けるも閉めるも別に悪くないわけです。正解なんて存在しないんです。

 

 

国の指示で「家から出たら罰金ね!」みたいなルールが作れないのが日本です。であれば、何をどうするのもひとりひとりの勝手なんです。それでもここまで感染者が増えたり、有名芸能人がお亡くなりになったり、毎日頭が痛くなるほど同じニュースが流れていたりする今、ほとんどの日本人は自粛の道を歩いています。身勝手な行動をしている人なんてほんとに少ない。この流れの中で飲食店がお店を開けても閉めてもそれはそのお店なりの正解を探している証拠です。何度も言いますけど、正解なんて存在しないんです。誰も守ってはくれないんですから、多少のリスクを背負ってでも生き延びるために何か策を講じなければいけない状況なんです。

 

 

たとえば、「マスコミの記者は芸能人のプライベートを侵害しているから悪だ!」という人がいます。たしかに芸能人側からすればそうでしょう。でも、その記者さんにだって生活があって、守るべき人がいるという背景があるんです。だからどちらが正解でどちらが間違いなんてない。迷惑してる人の影には見えない人がいるってことですよ。

 

 

ということで、夜の街への規制は厳しさを増しておりますが、僕は「BAR屋」のはしくれとして、営業するならプロとして仕事を全うするだけです。

 

 

正解なんてない。だからとても難しい。ただ、飲食店は営業を続けるか再開しないと潰れるだけなので、いま臨時休業しているお店はいずれ営業を再開することになると思います。

 

 

おわり。

The following two tabs change content below.

yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。