「そういうことね!」バーのマスターがメニューを置かない本当の理由

Consultation on phone. Troublesome mature woman carrying glass of water and communicating on phone
バーあるある

こんばんは(*^-^*)西舘です。

 

 

先日このような記事を一筆致しました。

[え!?嘘でしょ!?]バーにはメニューがないって噂は本当か!?

 

 

ネタバレさせると、「メニューがないバーは存在する」って話なんですけど(はい、これで上の記事読まなくて済むー(^-^)笑)、内容的にはメニューがないバーのマスターのことを美化した(バーのマスターなりの考えがありますよねっていう意味合いを強調した)感じで書いてしまった気がしてなんとなくモヤっとした自分がいました。なので今回は「ぶっちゃけ、バーにメニューがない本当の理由ってこれだよね!」という告白文的な内容をお送りしたいなと思います。ちょっと聞いてください。

 

あくまで個人的見解です。

※僕が働いているバーにはメニューがあります。

 

 

「そういうことね!」バーのマスターがメニューを置かない本当の理由

バーのマスターがメニューを置かない本当の理由、それは「メニューを作るのが面倒だから」です。

 

 

あなた:「え!?そんな理由ですか!?」

 

 

はい、そんな理由です。そしてメニューがあるバーで働いている僕がなぜそんなことを言いきれるのか疑問な方にもちゃんとご説明しますね。

 

 

まずですね、メニューがないバーのほとんどは個人経営の小さなバーです。そして、マスターがひとりで切り盛りしていることが多いです。バーを運営するにあたって必要な日々の業務はたくさんあって、たとえば氷を業者から納品、その氷をなたやアイスピックを使ってグラスに入るサイズにひとつひとつ調整します。おつまみも自家製にこだわっている場合が多いのでその仕込みもあります。スーパーや酒屋で買い物もします。

 

 

加えて、営業が始まればお客様へのサービスをします。お酒を提供するのはもちろんのこと、ひとりひとりとお話もします。閉店時間は設けていますが、その時間に何人かお客様がいれば営業時間を延長する場合もあります。そのあとにお客様から「飲みに行こうよ!」なんてお誘いを受けてそのまま近くの居酒屋やバーに流れる場合もあります。

 

 

これらをひとりでこなすわけです。

 

 

ちょっと想像してみてください。マスターの一日を。

 

 

あなた:「大変ですね・・一日中動きっぱなし・・」

 

 

そう思いますよね。一日中動きっぱなし、自分の時間はほとんど寝る時間と、バーテンダー道を極めるための勉強に充てているはずです。つまり、「メニューを作っている時間なんてない!」ってことです。

 

 

あなた:「でも、個人でバーを始める時に準備期間ってあったわけじゃないですか。内装を整えたり、グラスを調達したりする時期。その時一緒にメニューも作っておけばよかったのでは?」

 

 

ごもっとも。グウの音も出ない正論ですね。しかし、マスターはメニューを作らなかった。なぜか。「メニューを作るのが面倒だから」です。

 

 

あなた:「話が振り出しに戻った!(*´▽`*)」

 

 

メニューを自分で作るのは確かに面倒です。まず、パソコンが使える必要があります。もしパソコンが使えないマスターだと業者に依頼することになります。依頼するともちろんお金がかかります。理想のメニューが届く場合もあればイメージとちょっと違うメニューが届く場合もあります。なので基本的にメニューは自主製作になるわけです。

 

 

で、理想のメニューを作ろうとするとまた大変な作業が待っています。ただカクテルの名前やウイスキーの名前を入れて料金が書いてあればいい人であればメニューを作るのはさほど面倒ではないかもしれませんけど、メニューってデザインやレイアウトにこだわりたいじゃないですか。白紙にただポツンと文字だけ書いてあるメニューはどこか無機質な感じがして寂しいですからね。

 

 

もし、理想とするデザインにこだわったメニューを作ろうとすると・・。

 

 

背景の色は?

文字のフォントは?

文字の色は?

料金表記は「¥」?「円」?

税込み?税別?

etc・・・・。

 

 

あなた:「悩みが尽きないエンドレスループ(*´▽`*)」

 

 

ですよね笑。で、結果、「別にメニューなんてなくたって自分はなんだって作れるしなんだって説明できるからそれでいいや!」となり、メニューを作る話はお蔵入り。

 

 

ちなみにですが、メニューがもしあった場合、「メニューの維持」という業務も加わってきます。「メニューの維持」というのは、たとえば消費税が変更になった場合や、お酒の仕入れ値が変更になった場合(お酒の仕入れ値は年に一回以上変わることが昨今は増えました)、お客様からいただく金額が変わりますよね。そのたびにメニューに書いてある料金を変えて印刷しなおして挟みなおす作業をしなくてはいけません。

 

 

あなた:「それはまた大変な作業・・」

 

 

このようなアフターケアが必要な点も、メニューがないバーはほとんどが個人経営の小さなバーである証拠かなと思います。

 

 

あなた:「nicccyさんのバーはメニューの変更とかはどうしてるんですか?業者さんに頼んでる感じですか?」

 

 

いえいえ、僕はすべて自主製作してますよ。ちなみに他の大手バーはほとんどすべて業者さんに委託しています。なのにどうして僕はメニューを自主製作しているのか。その理由なんてひとつだけですよ。「自分が納得のいくメニューじゃないとお客様に出したくないから」です。凝り性なんですよ、僕。フォントひとつ違和感があればモヤモヤするし、きれいな状態のメニューでありたい。写真だって自分で撮ったお気に入りの角度のものがいい。そしてそれがお店の色となり、お客様のためになり、信用にも繋がると考えています。

関連記事:メニューの商品が欠品しまくりのお店はお客様をバカにしていますよって話

 

 

まとめ

「そういうことね!」バーのマスターがメニューを置かない本当の理由についてお話させていただきました。

 

 

「メニューを作るのが面倒だから」です。一見どうしようもない理由に思えるかもしれません。ですが、実際にメニューを作るとなると結構な作業量になりますし、こだわりが足かせとなってなかなか完成まで辿り着かないなんてことになりかねません。

 

 

パソコンを使わなきゃいけない。

業者さんに頼めばお金がかかる。

業者さんに頼めば理想のメニューが届くかわからない。

自分で作ろうとするとデザインやレイアウトが気になってしまう。

デザインやレイアウトを気にしていると作成に膨大な時間がかかる。

消費税や仕入れ値が変わるたびに作り直す必要がある。

etc・・・。

 

 

結果、力尽きて「別にメニューなんてなくてもいいや!」という答えに着地。なのでメニューがないバーに行ってもあまりマスターを責めないでください笑。

あくまで個人的見解です。

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yuki_nicccy

札幌の「BAR PENCIL VANI;LLA」代表。 1985年生まれ。21歳の冬にBAR屋の職に就き、現在まで延べ10万人以上のお客様と接する。 趣味は「楽しくお酒を飲みながらさまざまな人と話すこと」「読書」「カフェで引きこもること」「北海道コンサドーレ札幌の応援」。